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地の四集まとめ

地の四集をまとめると以下のようになります。
悪無因者 善無因者 二因者 三因者 預流道 預流果 一来道 一来果 不還道 不還果 阿羅漢道 阿羅漢果 有情の種類
欲界地 離善地 地獄 1
畜生界 1
餓鬼界 1
阿修羅衆 1
欲界善趣地 人界 11
四大王天 11
三十三天 10
夜摩天 10
兜率天 10
楽変化天 10
他化自在天 10
色界地 初禅地 梵衆天 9
梵輔天 9
大梵天 9
第二禅地 少光天 9
無量光天 9
発光天 9
第三禅地 少浄光天 9
無量浄光天 9
遍浄光天 9
第四禅地 広果天 9
無想有情天 1
不捨天(浄) 3
無熱天(浄) 3
無現天(浄) 3
無見天(浄) 3
無劣天(浄) 3
 無色界地 空無辺処地 8
識無辺処地 8
無所有処地 8
非想非非想処地 8

無色界地

色界地のさらに上位に位置する世界です。

色蘊(物質)がなく、名蘊(心)だけが変化消滅しています。物質がないという事は目や耳などの感覚器官もなく、他の生命とのコンタクトが全く取れません。

そのため、少なくとも預流果に悟っていれば、そのまま自力で瞑想して悟りを進めていけます。

しかし、全く悟らずに無色界地に生まれた場合、悟りの瞑想の方法を学ぶ手段がないため非常に長い時間悟れない時間を過ごすことになります。

無色界地には次の4段階あります。
  1. 空無辺処地
  2. 識無辺処地
  3. 無所有処地
  4. 非想非非想処地

色界地

色界地とは、欲界地よりもさらにレベルの高い生命体のいる世界です。具体的には色界禅定を得た者が死んで、梵天として生まれ変わる場所です。

この色界地は大きく分けて次の5つに分類されます。
  • 初禅地
  • 第二禅地
  • 第三禅地
  • 第四禅地
  • 浄居地(第四禅地)

初禅地

初禅以上の禅定を得た者が、梵天に生まれたときに、生まれ変わる可能性のある場所。この世界は火壊劫によって崩壊します。次の3ランクあります。

梵衆天

初禅地の一番下のランクの生命体。初禅地の一番上のランクの大梵天に従う衆です。大梵天を王様としたら、梵衆天は兵隊みたいなイメージでしょうか。

梵輔天

初禅地の真ん中のランクの生命体。輔とは補佐するという意味から、大梵天を補佐する梵天のことです。大梵天を王様とするなら、梵輔天は大臣のようなイメージです。

大梵天

梵衆天や梵輔天よりも寿命も長くあらゆる面で優れているが、初禅地という同じ世界に住んでいます。例えるなら、人間は動物より生命体として優れていますが、同じ地球という世界に住んでいるようなものです。

第二禅地

第二禅以上の禅定を得た者が、梵天に生まれたときに、生まれ変わる可能性のある場所。この世界は水壊劫によって崩壊します。次の3ランクあります。

小光天

字のごとく光が少ない梵天という意味です。第二禅地の他の2つの生命よりも、体から発する光が少ないためこう呼ばれます。

無量光天

体から無量の光を発するためこう呼ばれます。無量とは「たくさんの」という意味。

発光天

体から稲妻のような非常に強い光を放っている梵天。第二禅の禅定である喜俱禅が原因となって、心起因色(ある心が原因で生まれる物質)が生じます。その物質が光り輝くとされます。

第三禅地

第三禅以上の禅定を得た者が、梵天に生まれたときに、生まれ変わる可能性のある場所。この世界は風壊劫によって崩壊します。次の3ランクあります。

少浄光天

上位の2天よりも浄光が少ない梵天。

無量浄光天

体から無量の浄光を発する梵天。

遍浄光天

体から発する浄光があたりに遍く満ちていることからこう呼ばれます。

第四禅地

色界第四禅または無色界禅の禅定を得た者が、梵天に生まれたときに、生まれ変わる可能性のある場所。この世界は壊劫によって崩壊することはありません。次の3種類あります。
  • 広果天
  • 無想有情天
  • 浄居天

広果天

広大な結果を有する梵天とされています。

無想有情天

無想とは心や心所が全くなく、ただ体(色蘊)だけがある色界梵天です。

浄居天

第四禅地の最高ランクの生命が居住する世界。具体的には、煩悩を離れた不還果阿羅漢果を得ている梵天が住んでいます。

阿羅漢果に次の生まれはないので、ここに阿羅漢果の梵天がいるということは、不還果で浄居地に転生して瞑想修行によって阿羅漢果を得たということになりますね。浄居地にはさらに次の5つのランクがあります。

不捨天

自分が得た天宮や池を片時も捨てる(手放す)ことがなく、気が遠くなるほど長く楽住できる世界です。

無熱天

私たちは心配事や怒りなどで熱くなりますが、そのような熱が一切ない平和な世界です。

善現天

非常に美しく、だれから見ても楽しそうに幸せそうに見られる梵天衆が住む世界です。

善見天

とても清らかな眼識をもっており、実際の目と知恵の目と両方によって、他を幸せに見られる梵天が住む世界です。

無劣天

劣ったものが全くない、楽極まりない世界です。色界地の中で最高に優れた生命が住んでいます。

欲善趣地

欲界地は、
  • 地獄などがある離善地
  • 人界などがある欲善趣地
の2つに分けられます。

  • 離善地は、欲界地の中でも生命レベルが低い世界
  • 欲善趣地は、欲界地の中でも生命レベルが高い世界

と解釈できます。

欲善趣地には、
  • 人界×1種類
  • 天界×6種類
の計7種類が存在します。

人界

私たち人間が属する生命世界。

悪業をつくろうと思えば、五無間業(※)までも作ることができ、善業をつくろうと思えば悟りに達することもできる世界です。

人とは善とも悪とも一定しない心を持ち、善業(良い行い)、悪業(悪い行い)の両方を知ることができる生命体です。

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※五無間業とは

生まれ変わると地獄でも最も苦しみの多い無間地獄に落ちてしまう、最も強い悪業。

具体的には
  • 母を殺すこと
  • 父を殺すこと
  • 阿羅漢(最高レベルにまで悟った人)を殺すこと
  • 仏陀の体から血を流すこと
  • 僧の和合を壊すこと
の5つを指します。

四大王天

6つある天界の一番下のランクの天界。
  • 持国
  • 増長
  • 広目
  • 多聞
という四天王によって治められていることから四大王天と呼びます。

またこの天界の生命体は須弥山という天界にある山の中腹から麓にかけてを住みかとしています。山、森などの地神や堕処の阿修羅などもこの世界に住んでいます。

また、堕処の阿修羅とは離善地の阿修羅とはまた別の生命体です。ここで言う堕処の阿修羅とは天界の生命体を指します。

三十三天

6つある天界の下から2番目のランクの天界。

善業を積んだ33人の青年が生まれ変わった場所が、ここの天界であったことからこの名前があります。天界にある山とされる須弥山の中腹から頂上にかけて住んでいるとされます。

夜摩天

6つある天界の下から3番目のランクの天界。

夜摩とは、もともと古代インド語であるパーリ語から派生しており、「苦しみから離れる」という意味があります。

つまり、夜摩天とは苦しみから離れいつでも楽を受けられる生命体のことを意味します。この天界は須摩天(すやま)という王が治めています。

なお、この天界より上の天界は須弥山の上空を住みかとして住んでいます。(空居天)

兜率天

6つある天界の上から3番目のランクの天界。

非常に喜びの多い天界です。自分で悟りを開くブッダは必ず人間界に生まれるとされますが、そのブッダが人間界に生まれ変わる直前にいる世界がこの兜率天です。

楽変化天

6つある天界の下から2番目のランクの天界。

この天界の生命体は、自分が欲しいと思ったものを自由に目の前に作り出して楽しむことができます。よく「思えば叶う」と言う人がいますが、本当に思った瞬間にかなってしまうのがこの世界です。

他化自在天

6つある天界の最上ランクの天界です。

この生命になると、自分でわざわざ欲しいものをつくらなくても、他の天界の生命が自分の欲するように何でも作ってくれます。仏教では悪魔(マーラ)という生命体も出てきますが、このマーラも他化自在天の生命体なのです。

離善地

離善地とは善から離れていて、悪行為ばかりをしてしまう世界のことを言います。

例えば、あなたがアリになったとイメージしてください。

毎日毎日、たんたんと本能に従って働く日々です。その仕事の大半が、他の生命の命を奪って食料を調達することです。

このように生きていてもほとんど良い行為ができない生命の世界を離善地と呼びます。

離善地はさらに次の4つの段階に分類されます。
  1. 地獄
  2. 畜生
  3. 餓鬼
  4. 阿修羅衆

地獄

地獄とは楽が得られず、苦ばかり受ける世界のことです。地獄はさらに次の8つの段階に分類されます。(八大地獄)

等活地獄

何度も蘇生して同じ苦しみを受ける地獄。

黒縄地獄

大工さんが正確に木材を加工するために、木材に墨のついた糸でしるしをつけます(墨付け)。これと同じように、獄卒に細い鉄縄で体を切り刻まれて苦しむ地獄。

圧縮地獄

獄卒に追われて、2つの山の間に逃げ込んだ時に、前後に火災が発生し、両側の山が迫ってきて押しつぶされる地獄です。

インディージョーンズで、巨大な天井が落ちてくるシーンがありましたが、それが何度も繰り返されるイメージでしょうか。

叫喚地獄

熱い煙や蒸気によって苦しみ絶叫する地獄です。

大叫喚地獄

熱い煙や蒸気によって苦しみ大絶叫する地獄です。
叫喚地獄の強烈版。

焦熱地獄

炎に焼かれて串刺しにされて苦しみを受ける地獄です。

大焦熱地獄

炎に焼かれて串刺しにされて大きな苦しみを受ける地獄です。焦熱地獄の強烈版。

無間地獄

最も苦しみの多い地獄。他の七地獄は、ときには苦しみがまぎれることもありますが、この無間地獄では絶え間なく苦しみが続くことから、この名前があります。

畜生

畜生界は、パーリ語で(tiracchana-yoni)と表現されます。tiraとは「横に」という意味があり、「心を成長させられない」という意味につながります。そのような世界の生命が畜生です。

具体的には
  • 動物
  • 昆虫
などが当てはまります。

餓鬼

餓鬼とは、次のような特性がある生命のことです。
  • 森・山・川・墓地などをさまよっている死霊
  • 常に飢えている
  • 裸体で悪臭を放っている
  • 口にするものは吐き捨てられた汚物や、流れ落ちた血液だけ
そして、このような餓鬼の社会を餓鬼界と言います。

阿修羅

阿修羅とは餓鬼の一種で、餓鬼よりもサイズが大きいものをさします。

しかし餓鬼と同じく、常に飢えに苦しんでいて、どんなにのどが渇いても水を飲むことができません。水を飲もうとすると、そこにある水が渇いてしまい飲むことができなくなるとされています。

その阿修羅の集まりが阿修羅衆です。

地の四集

地の四集とは、あらゆる生命を4つの世界で分けたものです。

具体的には、次の4つです。
  • 離善地
  • 欲善趣地
  • 色界地
  • 無色界地
このうち、離善地と欲善趣地を合わせて、「欲界地」と呼ぶこともあります。