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四聖諦

四聖諦とは?

諦とは真実という意味なので、四聖諦とは4つの聖なる真実という意味になります。具体的には次の4つになります。

苦諦

苦しみのこと。

この世は楽であると勘違いし、不幸にさいなまれている人に、この世はすべて苦であること示すために第一に説かれました。

集諦

苦しみの原因のこと。

苦しみは自然に生じてくるものではなく、その原因は渇愛にあることを示すために第二に説かれました。

滅諦

苦しみが滅する状態(涅槃)のこと。

渇愛の滅が苦の滅であり究極の幸せであることを示すために第三に説かれました。

道諦

苦しみを滅するための方法のこと。

苦を滅するためには、正しく修行を実践する必要があることを示すために第四に説かれました。

四聖諦の分類

また、諦は絶対的な真実を意味しますが、世間的に見て真実であるものは世俗諦と表現されます。

例えば、男・女というのは世俗諦です。というのも諦(勝義諦)という立場で見ると、そこにあるのは名色の集合体があるだけだからです。

四聖諦を世間・出世間で分ける

  • 苦諦、集諦は、私たち一般的な生命の世界の真実なので世間諦
  • 滅諦、道諦は、悟りに関する真実なので出世間諦
とそれぞれ分けられます。

四聖諦を因果で分ける

苦諦は集諦の結果、滅諦は道諦の結果という関係にあります。
  • 苦諦、滅諦は果諦
  • 集諦、道諦は因諦
とそれぞれ分けられます。

十八界

界とは自性を保持するという意味があります。

例えば、眼は視覚による認識を成立させるための要素であり、その要素が他に移動したり複製されたりすることはありません。眼だけが視覚による認識を成立させるための要素を有することから眼界と言います。

同様に、以下が十八界です。

物質眼界眼色
耳界耳色
鼻界鼻色
舌界舌色
身界身色
色界色色
声界声色
香界香色
味界味色
触界

眼識界眼識2
耳識界耳識2
鼻識界鼻識2
舌識界舌識2
身識界身識2
意界五門引転心
領受心2
意識界その他心76
法界細色16
心所52
涅槃

十二処

処とは心が生じる処(ところ)という意味です。

心は、眼などの感覚器に、対象(所縁)が触れることで生まれます。このときに眼門などを六内処、六内処に触れる対象(所縁)を六外処という形で分類し、合わせて十二処と呼びます。

六内処(六門)

  • 眼処(眼門=眼色
  • 処(耳門=耳色)
  • 処(鼻門=鼻色)
  • 処(舌門=舌色)
  • 処(身門=身色)

六外処

  • 色処(色色)
  • 声処(声色)
  • 香処(香色)
  • 味処(味色)
  • 触処(地、火、風)
  • 法処(細色16、心所52、涅槃)

五取蘊(固執の蘊)

取とは取著(しゅじゃく)、つまり固執という意味です。つまり取蘊とは固執の対象(所縁)となるという意味があります。

五取蘊も五蘊と同様に、
  • 色取蘊
  • 受取蘊
  • 想取蘊
  • 行取蘊
  • 識取蘊
の5つになります。

なぜ五蘊と五取蘊を分けるのか?

まず最初に法をあるがまま分類する形で五蘊が語られました。

ただ、単に五蘊と言う場合、阿羅漢に悟った人の構成要素も五蘊、我々のような凡人の構成要素も五蘊となり区別ができません。

しかし、阿羅漢に悟った人は五蘊(自分という人間)に執着しておらず、それ以外の人は五蘊(自分という人間)に執着が残っているという違いがあります。

また、阿羅漢以外の人はその執着の対象である五蘊を瞑想対象として、阿羅漢を目指すことから、阿羅漢以外の人の瞑想対象としての五蘊という意味を明確にするために、五取蘊という言葉が使われます。

要するに五取蘊とは悟ってない人の五蘊を意味しています。

五蘊

蘊とは「集まり」というような意味があります。

五蘊とは以下の通りです。
  • 色蘊(28色のこと。物質の集まり。)
  • 受蘊(89心に相応する受心所)
  • 想蘊(89心に相応する想心所)
  • 行蘊(89心に相応する思心所を代表とする受心所、想心所を除く50心所)
  • 識蘊(89心)

行蘊

心所は52ありますが、受蘊(受心所)、想蘊(想心所)を除くと残りは50です。この50の心所は思心所が総司令官としてはたらくことから、行蘊は思心所を代表とする50心所と表現されます。

五蘊の順序

五蘊は以下のようにも例えられます。
  • 色蘊(皿)
  • 受蘊(ご飯)
  • 想蘊(おかず)
  • 行蘊(料理人)
  • 識蘊(食べる人)
行蘊という料理人によって、色という身体に受蘊や想蘊が盛り付けられ、それを識蘊という食べる人が味わうようなイメージですね。

一切の摂

一切とは、この世の一切のもの、つまり第一義諦(勝義諦)をさします。一切の摂では勝義諦である、心、心所、色、涅槃をもとにしてグループ分けしていきます。

具体的には次の通りです。
  • 五蘊
  • 五取蘊
  • 十二処
  • 十八界
  • 四聖諦
の5つです。