ラベル 4心の分類/6基で分類する の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 4心の分類/6基で分類する の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

基で界を分類する

基とは、心が生まれる基になる物質という意味です。例えば、眼識は眼で(に基づいて)、生まれるから眼を眼基と呼びます。

同じように、
  • 眼基
  • 耳基
  • 鼻基
  • 舌基
  • 身基
  • 心基
の6つあります。心基は、意識が生じる基となる物質という意味で、現代的にいうと神経と解釈が近いかもしれません。

欲界

欲界の生命には、基が六つすべて得られます。

すなわち、
  • 眼基
  • 耳基
  • 鼻基
  • 舌基
  • 身基
  • 心基
の6つです。これはつまり、心が現れる場所が6つあるという事です。この6つの場所から得られる情報に対して欲をつくる事が、欲界と呼ばれるゆえんです。

色界

色界は、欲、つまり不善心を離れた高次元の世界です。そのため、欲をつくる原因となる基がありません。

つまり、

五基のうち鼻基、舌基、身基の3つがありません。言い換えると、嗅覚・味覚・触覚のない世界とも言えます。

眼基と耳基が残っているのは欲のためではなく、眼基はブッダを見るために、耳基は説法を聞くために残っています。

とは言っても、人間のような目や耳ではないでしょう。何かしらの見るための器官、聞くための器官があるということです。

無色界

無色界は色(物質)がない世界ですので、六基すべてがありません。

基とは心が生まれる場所、つまりは物質のことだからです。六基に依存せず、ただ心だけがある世界です。

基で心を分類する

五基に依存して生まれる心

まず最初は五基(眼基、耳基、鼻基、舌基、身基)に依存して生まれる心です。これは簡単ですね。次の10の心です。
  • 眼識×2
  • 耳識×2
  • 鼻識×2
  • 舌識×2
  • 身識×2
それぞれ、無因不善異熟心無因善異熟心で2つずつありますので、合計10になります。

心基に依存して生まれる心

欲界

欲界で、心基に依存して生まれる心は次のとおりです。
  • 不善心
    • 貪根心8
    • 瞋根心2
    • 痴根心2
  • 無因心
    • 領受心2
    • 推度心3
    • 五門引転心1
    • 意門引転心1
    • 笑起心1
  • 欲界善心
    • 大善心8
    • 大異熟心8
    • 大唯作心8
  • 色界心
    • 色界善心5
    • 色界唯作心5
  • 無色界心
    • 無色界善心4
    • 無色界唯作心4
  • 出世間心
    • 預流2
    • 一来2
    • 不還2
    • 阿羅漢2
以上の、70の心ですね。

色界

まず色界で生まれない心をチェックします。
  • 不善心
    • 瞋根心2
  • 無因心
    • 五識5×2
    • 領受心2
    • 推度心3(彼所縁)
    • 五門引転心1
    • 笑起心1
  • 欲界善心
    • 大異熟心8(彼所縁)
  • 無色界心
    • 無色界異熟心4
  • 出世間心
    • 預流道1
以上の、32は色界で生まれません。つまり、色界で心基に依存して生まれる心は89-32=57ある事になります。
  • 不善心
    • 貪根心8
    • 痴根心2
  • 無因心
    • 意門引転心1
  • 欲界善心
    • 大善心8
    • 大唯作心8
  • 色界心
    • 色界善心5
    • 色界異熟心5
    • 色界唯作心5
  • 無色界心
    • 無色界善心4
    • 無色界唯作心4
  • 出世間心
    • 預流1
    • 一来2
    • 不還2
    • 阿羅漢2

心基に依存せずに生まれる心

無色界は物質がありませんので、心基がありません。まず無色界で生まれない心をチェックします。
  • 不善心
    • 瞋根心2
  • 無因心
    • 五識5×2
    • 領受心2
    • 推度心3(彼所縁)
    • 五門引転心1
    • 笑起心1
  • 欲界善心
    • 大異熟心8(彼所縁)
  • 色界心
    • 色界善心5
    • 色界異熟心5
    • 色界唯作心5
  • 出世間心
    • 預流道1
以上の、43は無色界で生まれません。つまり、無色界で心基に依存せずに生まれる心は89-43=46ある事になります。
  • 不善心
    • 貪根心8
    • 痴根心2
  • 無因心
    • 意門引転心1
  • 欲界善心
    • 大善心8
    • 大唯作心8
  • 無色界心
    • 無色界善心4
    • 無色界異熟心4
    • 無色界唯作心4
  • 出世間心
    • 預流1
    • 一来2
    • 不還2
    • 阿羅漢2

心基に必ず依存する心

心基に必ず依存するという事は、裏を返せば、心基に依存しない無色界に生まれる心をチェックします。つまり、心基に依存する欲界と色界だけに生まれる心ですね。

これは、すべての心89から、さっきの心基に依存しない無色界に生まれる心を差し引きます。

89-46=43

また、ここから五基に依存する10の心を差し引きます。

43ー10=33

これが、必ず心基に依存して生まれる心になります。
  • 不善心
    • 瞋根心2
  • 無因心
    • 領受心2
    • 推度心3(彼所縁)
    • 五門引転心1
    • 笑起心1
  • 欲界善心
    • 大異熟心8(彼所縁)
  • 色界心
    • 色界善心5
    • 色界異熟心5
    • 色界唯作心5
  • 出世間心
    • 預流道1

心基に絶対に依存しない心

心基に絶対に依存しない心とは、つまり無色界でしか生まれない心を意味します。

無色界でしか生まれない心は無色界異熟心4のみです。

異熟心は生まれ変わりのはたらきをする心であり、これは無色界の生命にしか生まれない心です。

その他、無色界善心などは瞑想によって欲界でも生じさせることができます。

心基に依存したり、依存しなかったりする心

これは、心基がある世界(欲界・色界)でも心基がない世界(無色界)でも生まれる心という意味ですね。

これはすべての心89から
  • 必ず心基に依存する心33
  • 絶対に心基に依存しない心4
  • 五基に依存する心10
を差し引きます。

89-33-4-10=42

これが、心基に依存したり、依存しなかったりする心です。
  • 不善心
    • 貪根心8
    • 痴根心2
  • 無因心
    • 意門引転心1
  • 欲界善心
    • 大善心8
    • 大唯作心8
  • 無色界心
    • 無色界善心4
    • 無色界唯作心4
  • 出世間心
    • 預流1
    • 一来2
    • 不還2
    • 阿羅漢2