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四大依止色(しだいえじしき)

四大依止色とは四大種に依存して存在する物質のことです。物質は28に分類されており、四大種は4つなので、四大依止色は24存在する事になります。

浄色

いわゆる五感の感覚器のことです。
  • 眼(視覚器)
  • 耳(聴覚器)
  • 鼻(嗅覚器)
  • 舌(味覚器)
  • 身(触覚器)
の5つですね。

身が他の4つと違うところは、身は体内にも存在する物質である事です。

例えば、ものを見るときは、目にある視細胞に依存しますので、体内物質を通してものを見る事はできません。

しかし、痛みや熱さなどは体の表面であっても、体内であっても感じますね。

境色

境色の境は対境(対象)を意味しています。つまり5感を生む、5つの感覚器に対応する物質のことです。

具体的には次の5つです。

色(視覚を感じさせるもの)

『物質』という意味でも色(しき)といいますが、ここでは『視覚を感じさせるもの』という意味で使っています。

要するに、見える物ですね。

科学的には、眼の視細胞が光を受け、それを電気信号に変換して、その情報をもとに脳で映像を作ります。

ですから、科学的には、光という解釈になるかもしれませんね。

声(聴覚を感じさせるもの)

『聴覚を感じさせるもの』を意味します。要するに、聞こえるものですね。一般的には、音という事になるでしょう。

香(嗅覚を感じさせるもの)

『嗅覚を感じさせるもの』を意味します。要するに、嗅げるものですね。一般的には、においという事になるでしょう。

味(味覚を感じさせるもの)

『味覚を感じさせるもの』を意味します。要するに、味わえるものですね。字のごとく、味の事です。

触(触覚を感じさせるもの)

『触覚を感じさせるもの』を意味します。触は、他の4境色とは違い、触という物質が存在するわけではありません。

触とは、四大色の
  • 地要素
  • 火要素
  • 風要素
をまとめて、触と呼びます。

例えば、私たちが身を通して
  • 硬さを感じれば、地要素
  • 熱いと感じれば、火要素
  • お腹のふくらみを感じれば、風要素
をそれぞれ感じているというわけです。

水要素だけは私たちに感じることはできません。

例えば、水に触れたときの冷たさは、水に含まれる火要素を感じています。水に打たれたときの痛みは、水に含まれる地要素を感じているわけです。

性色

性色とは性別を決定付ける物質の事です。
  • 男性色
  • 女性色
の2種類あります。

個人的には、性染色体とかそんなイメージだと思っています。

男性色は、男性を決定付けている物質ですね。人間を含む多くの動物の場合、オスはをXY染色体を持っていますが、そのような物質なのではと個人的に思います。

女性色は、女性を決定付けている物質ですね。人間を含む多くの動物の場合、メスはXX染色体を持っていますが、そのような物質なのではと個人的に思います。

心色

心色とは、意識が生まれる場所、つまり心基の事です。

現代的に言うと、心基は脳という解釈が一番近いかもしれません。(※心基については、また別で詳しく解説)

心はぜんぶで89種類。

それを次のように3つに分類できます。
  • 五識界10(眼識、耳識、鼻識、舌識、身識)
  • 意界3(五門引転心1、領受心2)
  • 意識界76(上記以外)
そのうち、五識界10の心はそれぞれの基で生まれます。意界3+意識界76は、心基で生まれます。

命色

経典では、『命色=命根』と説明されています。命根には、以下の2種類あります。
  • 命根色・・・物質の生住滅を司るはたらきをする物質
  • 名根心所・・・心の生住滅を司るはたらきをする心所
ここでの命色は命根色のことであり体中に拡散していて、生命の寿命をまもる物質ということです。

個人的な見解では、細胞とかそういうイメージかと思います。

食色

食色とは、物質的な栄養素の事ですね。別名で段食ともいいます。個人的な意見では、アミノ酸とかたんぱく質とか、そういったものでしょう。

分断色

分断色とは、物質と物質との間にできた空間の事です。

絵画では図と地という表現があります。例えば、山(図)の絵を描いたとき、それを山(図)と認識できるのは背景(地)があるからです。

同じように、ある物質を物質と認識できるのは、そのまわりに空間があるからです。

この空間の事を分断色と呼びます。

表色

表色とは、意思表示をするときの表現のことです。手や口などと言った物質に依存して、表色が現れます。

表色は物質そのものではなく、あくまで「その物質の状態」であることにご注意ください。具体的には表色は以下の2つあります。

身表

身表とは、体による意思表現の事ですね。例えば、手招きしたり、両手で大きな丸をつくったりする表現の事です。

ジェスチャーと言ってもいいかもしれません。

語表

語表とは、言葉による意思表現の事ですね。

私たちは何の意味もなく声を出す事はあまりありません。たいてい何かを伝えようとしているときに言葉を声として発するわけですね。

これが語表と呼ばれます。

変化色

変化色とは、物質の変化する特性のことをさします。

変化色という具体的な物質があるわけではなく、あくまで物質の特定の状態を指して変化色と言います。

具体的には
  • 色軽快性
  • 色柔軟性
  • 色適業性
  • 身表
  • 語表
の5つが変化色です。

これらのうち、身表、語表は別で表色とも呼ばれますので、詳しくはそちらでご説明します。

ここでは残りの色軽快性、色柔軟性、色適業生について触れていきます。

色軽快性

物質が軽くなる特性の事です。

物質は、
  1. 時節(寒暖)
  2. 食(滋養素)
という4つの原因によって生じます。このうち、色軽快性は心、時節、食の3つの原因によって生じます。

また、色軽快性は生命の身体の内に生じるという特性があります。

例えば、私たちが楽しいとき、食欲が盛んな時、よく晴れた日などには何となく体が軽く感じますね!?

このような物質の特性のことを色軽快性と呼びます。

色柔軟性

物質が柔らかくなる特性の事です。

色柔軟性も、色軽快性と同じく生命の身体の内に生じるという特性があります。

例えば、私たちが楽しいとき、食欲が盛んな時、よく晴れた日などには何となく体が柔軟に感じますね!?

このような物質の特性のことを色柔軟性と呼びます。

色適業生

物質が仕事に適している特性の事です。

色適業性も、色軽快性と同じく生命の身体の内に生じるという特性があります。

例えば、身体や口で何か行為を行おうとするとしますね。そのときは、身体や口はこれから行おうとする行為に適した状態になります。

このような物質の特性のことを色柔軟性と呼びます。

相色

相色とは、物質が本来もっている特性の事です。

相色という特性があることによって、それは概念(施設)ではなく、実在する物質(色)であるといえるわけですね。

具体的に
  • 色積集
  • 色相続
  • 色老性
  • 色無常性
の4つです。

これら4つの特性を簡単に言うと、
  • 生まれ(生)
  • 状態を維持し(住)
  • 滅する(滅)
という3つの特性になります。

例えば私たちの体から垢が出ますが、それはもともと生きた細胞でした。その細胞ももともとは昔の細胞から分裂して生まれたものです。

さらに、細胞を構成する分子はもっと早く、生・住・滅をくり返しています。
さらに、分子を構成する原子はもっと早く、生・住・滅をくり返しています。
さらに、原子を構成する素粒子はもっと早く、生・住・滅をくり返しています。

つまり、私たちの体一つとっても、無数の物質の生・住・滅の変化の上に成り立っているわけですね。

それでは順番に見ていきましょう。

色積集

まず、物質が物質として存在するためには、あるまとまったエネルギー(素粒子)が必要です。

素粒子が集まって原子になります。
原子が集まって分子になります。
分子が集まって細胞になります。

このように、細胞というごく小さな物質一つとっても、そこにはたくさんの色が集まってできている事がわかります。

このように互いにに集まって一つのかたまりを形成しようとする性質が色積集です。

色相続

色相続とは、前の状態を受け継ぐ特性です。

例えば、人の命は一つの受精卵から始まります。最初一つだった受精卵は、分裂して2つの細胞になります。

このときできた2つの細胞は、最初の一つだった受精卵の特性を受け継ぎます。そして、細胞は分裂をくり返しますが、その都度前の状態を受け継ぐわけですね。

だから、いきなりネコの細胞が混ざる事はないわけです。

波に例える事もできます。波も、エネルギーが水面を伝わっていく現象です。
  • 一つ目の波が大きければ、次にできる波も大きくなります。
  • 一つ目の波が小さければ、次にできる波も小さくなります。
前の特性を受け継ぐわけですね。

このように新しい物質が生まれる際に、前の物質の特性を受け継ぐ性質を色相続といいます。

色老性

色老性とは、色が老いていく性質の事ですね。

人の体の細胞も、色相続の特性にしたがって、前の細胞をの性質を受けついで新しい細胞がつくられています。

だからといって、完全に同じものがコピーされているわけではありません。

少しずつエネルギーが弱くなっていくのです。

波でも同じです。

一つ目の波が大きければ、次に伝わる波も大きくなります。つまり、前の波の特性を引き継ぐわけですね。

しかし、ずっと波が大きいわけではありません。波が伝わっていくほどエネルギーが弱くなって小さくなっていきます。

このような性質を色老性と呼びます。

色無常性

色無常性とは、色が滅する性質の事です。

また波で例えます。

一つ大きな波をつくったとします。(色積集)

その波の性質を受け継いで、次も大きな波ができます。(色相続)

その次の波も、前の波の性質を受け継ぎますが、完全に同じものではなく、エネルギーはどんどん小さくなります。(色老性)

そして最終的に波はなくなります。(色無常性)

まとめ

以上で、
  • 浄色5
  • 境色5
  • 性色2
  • 心色1
  • 命色1
  • 食色1
  • 分断色1
  • 表色2
  • 変化色5
  • 相色4
の計26のうち、表色2は変化色でダブっているので、2を差し引きます。

で、26-2=24の物質および物質の状態全てを説明しました。

四大種

物質を構成する根本的な4つの要素を四大種と呼びます。

科学的に言うと、以前は物質を構成する最小単位は原子だとされてきました。しかし、その後の研究で、原子もさらに細かくできることが分かりました。

素粒子です。

机も、車も、虫も、水も、火も、石も、人間の体もすべて素粒子からできているというのが現代科学の見方です。

裏を返せば、私たちは素粒子の集まりに、机だとか、車だとか名前をつけているに過ぎません。

この事を仏教の立場から説明した場合、4つのエネルギー要素を基本としてあらゆる物質が成り立っています。

その四つとは次のものです。

地要素

地要素とは硬さや重さをつくっている要素です。

地要素は土や砂といった限定的なものをさしているわけではなく、物質をかたちづくる根本的なエネルギーの一つであるとご理解下さい。

重さがあれば、それにともなって硬さ(柔らかさ)も生まれますので、質量をつくるエネルギーと言ってもいいかもしれません。

『なんだそれは?』と思われるかもしれませんが、近年面白い粒子が発見されました。

理論上は存在するはずでしたが、実際にはなかなか発見できなかったその粒子はヒッグス粒子と呼ばれています。

このヒッグス粒子はまさしく素粒子に質量をあたえるはたらきがある事が確認されています。

水要素

水要素とは、お互いをつなぎ合わせるエネルギーの事です。

たとえば、泥だんごをイメージしてください。

泥だんごは、もともとサラサラした砂に、水をまぜてこね合わせてつくりますね。

また雨が降った後は靴の裏に泥がくっつきます。

これらが水要素のエネルギーによるものです。

火要素

火要素とは、ずばり熱エネルギーの事ですね。

熱エネルギーを高くすれば熱いと感じ、
熱エネルギーを低くすれば冷たいと感じます。

また、火要素はものごとの変化の速度にも関わっています。

例えば、夏場はものが腐りやすく、冬場はものが腐りにくいですね。これも火要素が関係しています。

身体の中に生じる熱

暖熱

通常の体温のこと。

熱熱

風邪をひいたときなどに生じる熱。37度5分とかそういう熱です。

焦熱

熱熱が特に高いとき焦熱と呼びます。39度くらいでしょうか。

老衰熱

白髪やしわなど私たちの身体を老衰させる熱のことです。

消化熱

食べたものを消化させる熱です。

風要素

風要素は、動く物体に含まれている場合と、動かない物体に含まれている場合でそれぞれのはたらきをします。

動く物体に含まれている場合

このときは、いわゆる運動エネルギーとしてはたらきます。物体を動かすエネルギーですね。

動かない物体に含まれている場合

その物体が、動かないように固定するエネルギーとしてはたらきます。

例えば、何か重いものを押すときに地面との摩擦以外にも、なにか抵抗がありますね。

このエネルギーのことです。

以上の4つの要素が四大種です。