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結生の四集

私たち人間を含むあらゆる生命の結生(生まれ)には、以下の4パターンが存在します。
  • 離善結生(離善地に結生するパターン)
  • 欲界善趣結生(欲界善趣地に結晶するパターン)
  • 色界結生(色界地に結生するパターン)
  • 無色界結生(無色界地に結生するパターン)
それぞれで、生まれ方や寿命、滅し方が異なります。

欲界善趣結生

欲界善趣結生とは欲界善趣地に生まれることです。欲界善趣地に生まれる有情は、以下の9の内のいずれかを結生心として生まれてきます。
  • 無因善捨俱異熟心1
  • 大異熟心8

無因善捨俱異熟心で生まれる場合

人界に結生する場合

人として生まれる場合、次のような障害を持って生まれれてきます。
  • 生来目が見えない
  • 生来耳が聞こえない
  • 生来口をきけない
  • 生来の認知障害
  • 生来の精神障害
  • 生来の性機能障害
  • 生来の両性具有
  • 生来の中性(非男女)
  • 生来のどもり
生来目が見えないとは、本来母親の胎内で眼色が生じるべき時に生じないことを言います。

一度母親の胎内で眼色が生じたにもかかわらず、何らかの事故で眼色を失い、誕生する際に目が見えなくなっている人は生来盲目とは言いません。

天界に結生する場合

天界にも無因善捨俱異熟心で結生する生命がいます。それが、地神に依存している堕処の阿修羅と言われています。

同じ名前ですが、阿修羅衆の生命は離善地の生命で、堕処の阿修羅は天界の生命なので全くの別物です。

そもそも地神とは、地上にある山・森・樹・家などの守護神のことです。

堕処の阿修羅は衣食住が十分でないため、地神に頼って生きています(地神の結生心は二因大異熟心)。堕処の阿修羅も地神も天界の一番下の四大王天に属しています。

大異熟心8で生まれる場合

大異熟心8は欲界善趣地である
  • 人界
  • 四大王天
  • 三十三天
  • 夜摩天
  • 兜率天
  • 楽変化天
  • 他化自在天
のすべての地で結生心、有分心、死心として生じます。

地の四集において、
  • 二因者が、大異熟智不相応心4を結生心として生まれた生命
  • 三因者が、大異熟智相応心4を結生心として生まれた生命
になります。

人間の寿命

人間の寿命は、現在はおおよそ75歳です。

人間の寿命には、だんだん増えていく時期(増劫)、だんだん減っていく時期(減劫)の2つの時期があります。

時期と言っても天文学的なとてつもなく長い期間ですので、私たちにその長さを実感することはできません。
  • 増劫では、人寿10歳より世代ごとに寿命は倍増して、人寿阿僧祇歳まで
  • 減劫では、人寿阿僧祇歳から100年に1歳づつ減少して、人寿10歳まで
というように変動します。

ブッダは、減劫に生まれると言われることから、現在は減劫にあたると考えられます。

人寿阿僧祇歳とは、あまりにも長い寿命と言う意味ではっきりした数字は定かではありあません。また、人寿阿僧祇歳と阿僧祇劫はまた別の概念ですので、ご注意くださいね。

天界の寿命

四大王天衆の寿命

四大王天は人界の一つ上で、天界の一番下の地です。ここの生命の寿命は一定しており、500年です。

しかし、四大王天の1日は人界の50年に相当するため、四大王天の500年を人界の年数に換算すると

50年×360日×500=900万年

となります。

三十三天衆の寿命

三十三天は四大王天より一つ上の天界です。ここの生命の寿命は、1000年です。

しかし三十三天の1000年は、四大王天の2000年に相当します。つまり、四大王天の寿命の4倍になります。

よって、人界の年数に換算すると、

900万年×4=3600万年

となります。

その他天衆の寿命

三十三天より上の天界の寿命は順番に
  • 夜摩天・・・1億4400万年
  • 兜率天・・・5億7600万年
  • 楽変化天・・・23億400万年
  • 他化自在天・・・92億1600万年
となり、寿命は同様にして4倍ずつ長くなります。

離善結生

離善結生とは離善地に生まれることです。離善結生では、無因心である不善異熟捨俱推度心が結生心となります。

このように、離善地の有情(生命)は、すべて不善の無因心で生まれることから悪趣無因者と呼ばれます。

地獄の寿命

地獄の寿命はたびたび天界の寿命と比較して表現されます。

すなわち

等活地獄の寿命

四大王天の寿命=等活地獄の1日=900万年となります。

等活地獄の寿命は500歳のため、人界の年数に換算すると

900万年×360日×500歳=1兆6200億歳 となります。

黒縄地獄の寿命

三十三天の寿命=黒縄地獄の1日=3600万年となります。

黒縄地獄の寿命は1000歳のため、人界の年数に換算すると

3600万年×360日×1000歳=12兆9600億歳 となります。

圧縮地獄の寿命

夜摩天の寿命=圧縮地獄の1日=1億4400万年となります。

圧縮地獄の寿命は2000歳のため、人界の年数に換算すると

1億4400万年×360日×2000歳=103兆6800億歳 となります。

叫喚地獄の寿命

兜率天の寿命=叫喚地獄の1日=5億7600万年となります。

叫喚地獄の寿命は4000歳のため、人界の年数に換算すると

5億7600万年×360日×4000歳=829兆4400億歳 となります。

大叫喚地獄の寿命

楽変化天の寿命=大叫喚地獄の1日=23億400万年となります。

大叫喚地獄の寿命は8000歳のため、人界の年数に換算すると

23億400万年×360日×8000歳=6635兆5200億歳 となります。

焦熱地獄の寿命

他化自在天の寿命=焦熱地獄の1日=92億1600万年となります。

焦熱地獄の寿命は16000歳のため、人界の年数に換算すると

96億1600万年×360日×16000歳=5京3084兆1600億歳 となります。

大焦熱地獄の寿命

大焦熱地獄になると、比較する天界がなくなるため、その寿命は中劫の1/2とされます。

ただ、これまでのパターンで行くと、寿命は8倍ずつ増えていたので

42京4673兆2800億歳 = 中劫の1/2 となるのかもしれません。

無間地獄の寿命

無間地獄にも、比較する天界がないので、その寿命は中劫と表現されます。

ただ、もし大焦熱地獄の寿命が上で述べた数字になるのなら無間地獄の寿命は

84京9346兆5600億歳 = 中劫 となるのかもしれません。

無色界結生

無色界の生命の寿命はそれぞれ、下記の通りです。
  • 空無辺処の寿命・・・2万大劫
  • 識無辺処の寿命・・・4万大劫
  • 無所有処の寿命・・・6万大劫
  • 非想非非想処の寿命・・・8万4千大劫
無色界地まで来ると、壊劫に巻き込まれることもないため、壊劫によって寿命が断たれることはありません。

色界結生

色界の寿命

初禅地の寿命

初禅地の寿命はそれぞれ以下の通りです。
  • 梵衆天・・・1/3阿僧祇劫(=21中劫)
  • 梵輔天・・・1/2阿僧祇劫(=32中劫)
  • 大梵天・・・1阿僧祇劫(=64中劫)

第二禅地の寿命

  • 少光天・・・2大劫(=8阿僧祇劫=512中劫)
  • 無量光天・・・4大劫(=16阿僧祇劫=1024中劫)
  • 発光天・・・8大劫(=32阿僧祇劫=2048中劫)

第三禅地の寿命

  • 少浄光天・・・16大劫(=64阿僧祇劫=4096中劫)
  • 無量浄光天・・・32大劫(=128阿僧祇劫=8192中劫)
  • 遍浄光天・・・64大劫(=256阿僧祇劫=16384中劫)

第四禅地の寿命

広果天、無想有情天の寿命はそれぞれ500大劫(=2000阿僧祇劫=12万8000中劫)

浄居地の寿命は以下の通りです。
  • 不捨天・・・1000大劫(=4000阿僧祇劫=25万6000中劫)
  • 無熱天・・・2000大劫(=8000阿僧祇劫=51万2000中劫)
  • 善現天・・・4000大劫(=16000阿僧祇劫=102万4000中劫)
  • 善見天・・・8000大劫(=32000阿僧祇劫=204万8000中劫)
  • 無劣天・・・16000大劫(=64000阿僧祇劫=409万6000中劫)
地獄の寿命でもやりましたが中劫自体が天文学的な数字なので、もはや色界の寿命は計算できないですね。

壊劫(えこう)

壊劫

大劫は一つの宇宙の寿命を表しています(上の図の●一つ一つが大劫)。宇宙もとてつもなく長い年月をかけて生まれては滅してを繰り返しています。宇宙の寿命は大きく分けて次の4つの時期に分かれます。
  • 生劫・・・生まれる期間
  • 住劫・・・安住する期間
  • 壊劫・・・滅していく期間
  • 空劫・・・何もない期間
これら一つ一つの期間を阿僧祇劫といい、1大劫=4阿僧祇劫となります。このように生まれた宇宙は必ず滅するわけですが、その滅し方には次の3種類あります。

火壊劫

火災によって宇宙が壊れるパターンです。ほとんどの大劫は、この火壊劫によって崩壊します。(画像の赤丸)

火壊劫で宇宙が崩壊するとき、色界の初禅地まで巻き込まれて共に崩壊します。そのため初禅地の生命は1大劫より長く生きることはできないのです。

水壊劫

水災によって宇宙が壊れるパターンです。火壊劫7回につき1回の割合で水壊劫が来ます。(画像の青丸)

水壊劫で宇宙が崩壊するとき、色界の第二禅地まで巻き込まれて共に崩壊します。そのため、第二禅地の生命は最大で8大劫まで生きられます。

風壊劫

風災によって宇宙が壊れるパターンです。水壊劫7回につき1回の割合で風壊劫が来ます。(画像の黄丸)

風壊劫で宇宙が崩壊するとき、色界の第三禅地まで巻き込まれて共に崩壊します。そのため、第三禅地の生命は最大で64大劫まで生きられます。

劫とはとてつもなく長い時間の単位です。劫には主に次の4つあります。

寿劫

人の寿命のことです。現在は約75歳とされ、住む場所、食料、薬の有無など他の条件で増減します。

詳しくは、人の寿命をご参考ください。

中劫

人の寿命は、10歳から人寿阿僧祇歳までの増減を繰り返しています。
  • 10歳より世代ごとに寿命は倍増して、人寿阿僧祇歳までの期間を増劫
  • 人寿阿僧祇歳から100年に1歳づつ減少して、10歳までまでの期間を減劫
とも呼び、増劫+減劫=中劫となります。また、64中劫=1阿僧祇劫です。

中劫の具体的な数字は分かりませんが、地獄を寿命を参考に考えるととてつもなく長い期間であることが分かります。

阿僧祇劫

阿僧祇劫は中劫の64倍の長さの期間です。

大劫

宇宙が生まれてから滅するまでの一サイクルの期間です。

そのサイクルで宇宙は、
  • 生劫・・・生まれる期間
  • 住劫・・・安住する期間
  • 壊劫・・・滅していく期間
  • 空劫・・・何もない期間
という4つの期間を経ます(現在は住劫にあたる)。これら一つ一つの長さが阿僧祇劫になります。つまり、1大劫=4阿僧祇劫=256中劫 となります。