色界地

色界地とは、欲界地よりもさらにレベルの高い生命体のいる世界です。具体的には色界禅定を得た者が死んで、梵天として生まれ変わる場所です。

この色界地は大きく分けて次の5つに分類されます。
  • 初禅地
  • 第二禅地
  • 第三禅地
  • 第四禅地
  • 浄居地(第四禅地)

初禅地

初禅以上の禅定を得た者が、梵天に生まれたときに、生まれ変わる可能性のある場所。この世界は火壊劫によって崩壊します。次の3ランクあります。

梵衆天

初禅地の一番下のランクの生命体。初禅地の一番上のランクの大梵天に従う衆です。大梵天を王様としたら、梵衆天は兵隊みたいなイメージでしょうか。

梵輔天

初禅地の真ん中のランクの生命体。輔とは補佐するという意味から、大梵天を補佐する梵天のことです。大梵天を王様とするなら、梵輔天は大臣のようなイメージです。

大梵天

梵衆天や梵輔天よりも寿命も長くあらゆる面で優れているが、初禅地という同じ世界に住んでいます。例えるなら、人間は動物より生命体として優れていますが、同じ地球という世界に住んでいるようなものです。

第二禅地

第二禅以上の禅定を得た者が、梵天に生まれたときに、生まれ変わる可能性のある場所。この世界は水壊劫によって崩壊します。次の3ランクあります。

小光天

字のごとく光が少ない梵天という意味です。第二禅地の他の2つの生命よりも、体から発する光が少ないためこう呼ばれます。

無量光天

体から無量の光を発するためこう呼ばれます。無量とは「たくさんの」という意味。

発光天

体から稲妻のような非常に強い光を放っている梵天。第二禅の禅定である喜俱禅が原因となって、心起因色(ある心が原因で生まれる物質)が生じます。その物質が光り輝くとされます。

第三禅地

第三禅以上の禅定を得た者が、梵天に生まれたときに、生まれ変わる可能性のある場所。この世界は風壊劫によって崩壊します。次の3ランクあります。

少浄光天

上位の2天よりも浄光が少ない梵天。

無量浄光天

体から無量の浄光を発する梵天。

遍浄光天

体から発する浄光があたりに遍く満ちていることからこう呼ばれます。

第四禅地

色界第四禅または無色界禅の禅定を得た者が、梵天に生まれたときに、生まれ変わる可能性のある場所。この世界は壊劫によって崩壊することはありません。次の3種類あります。
  • 広果天
  • 無想有情天
  • 浄居天

広果天

広大な結果を有する梵天とされています。

無想有情天

無想とは心や心所が全くなく、ただ体(色蘊)だけがある色界梵天です。

浄居天

第四禅地の最高ランクの生命が居住する世界。具体的には、煩悩を離れた不還果阿羅漢果を得ている梵天が住んでいます。

阿羅漢果に次の生まれはないので、ここに阿羅漢果の梵天がいるということは、不還果で浄居地に転生して瞑想修行によって阿羅漢果を得たということになりますね。浄居地にはさらに次の5つのランクがあります。

不捨天

自分が得た天宮や池を片時も捨てる(手放す)ことがなく、気が遠くなるほど長く楽住できる世界です。

無熱天

私たちは心配事や怒りなどで熱くなりますが、そのような熱が一切ない平和な世界です。

善現天

非常に美しく、だれから見ても楽しそうに幸せそうに見られる梵天衆が住む世界です。

善見天

とても清らかな眼識をもっており、実際の目と知恵の目と両方によって、他を幸せに見られる梵天が住む世界です。

無劣天

劣ったものが全くない、楽極まりない世界です。色界地の中で最高に優れた生命が住んでいます。