定を分類する

定には禅定、果定、滅定の3つあります。

禅定

禅定に関しては止の修習を参照して下さい。

果定

果定においては、その修行者がすでに得ている果に入定できます。

例えば、預流果を得ていれば預流果にだけ入定できます。一来果を得ていれば、一来果にだけ入定できます。預流果にはもう入定できません。

そして、果定に入っている間は、ずっと果心のみが連続して生じ、果心相続が途絶えて有分心が生じることによって果定から出定します。

滅定

滅定とは心を完全にストップさせる究極の定です。不還果、阿羅漢果を得て、さらに色界、無色界禅すべてを体験している者だけが滅定に入ることができます。

まず、不還果、阿羅漢果を得ている修行者は、色界初禅に入定します。

その後、色界初禅から出定し、色界初禅心や心所のいずれかの三特相を随観します。その次に、色界第二禅に対しても同様に行います。このように、入定、出定、随観を繰り返して無所有処まで達します。

そして、無所有処から出定した際に、次の4つの準備をします。
  1. 衣や鉢や住居などの四資具が、火災、水害、盗難などに会わないように請願する。
  2. 僧団の呼びかけに応じられるように予測しておく。
  3. 仏陀の呼びかけに応じられるように予測しておく。
  4. 自分の寿命を予測しておく。
これらが終わった後に、非想非非想処に入定すると、心心所のはたらきが完全にストップした滅定に入ります。

このとき心は働かないので心生色は生じず(滅して)、業生色・時節生色・食生色のみが生じています。