アビダンマとは?

アビダンマとはこの世にある真実のすべてを解説したものです。

あなたは真実と言うと、何を思い浮かべますか?
  • 地球はまるい?
  • 私は人間だ?
  • 日本に住んでいる?
はい、確かにこれは真実ですね^^

逆に真実じゃない事ってなんでしょうか?
  • 世界中の人が自分を嫌っている
  • 練習すれば鳥のように空を飛べる
  • 一生寝なくても生きていける
はい、これらは真実ではありませんね。まあ空想というか妄想です。

空想や妄想には限りにがありませんので、仏教では真実のみをとり扱います。さて、何度も述べている真実ですが、2種類あります。
  • 勝義諦(しょうぎたい)
  • 世俗諦(せぞくたい)
順番に見ていきましょうね^^

勝義諦(しょうぎたい)

勝義諦とは、これまで、そしてこれからも絶対に変わることのない不変の真実の事です。

例えば、あなたの家には白ご飯がありますね。その白ご飯を、そのまま1ヶ月放っておくと、どうなるでしょうか?

おそらくカビだらけの、黒いゴミになるでしょう。そうなると、それを『白ご飯』と呼ぶでしょうか?

とてもご飯とは呼べません。だから白ご飯は勝義諦じゃないということです。ちなみに、白ご飯は次にやる世俗諦です。

では、ずっと変わらない勝義諦とは何でしょうか?

実は4つあります。
  • 心所
  • 涅槃
です。この4つしかありません。では、順番に説明します。

心とは対象を認識する働きの事です。例えば、机には心がありません。あなたには心があります。

この違いは何でしょう?

素材は違っても、どちらも同じ『物体』である事は間違いありませんね。でも何かが違います。

それは、ものごとを認識できる働きの違いです。机はまわりのでき事に反応して対処する事はありませんからね。

心所

心所とは、心に依存して生まれるスパイスのようなものです。よく心を真水心所を溶けるものに例えられます。

例えば、コーヒーでいうと「心が真水、心所がコーヒーの粉」というイメージです。

この心所に、怒り・欲・嫉妬・悲しみ・優しさなどのおなじみの要素が含まれています。

例えば、心に怒りという要素を溶かすと、瞋根心という怒りの心ができます。これもまた追ってご説明しますね!

色とは物質という意味です。
もう少し説明すると寒いとか熱い(熱)によって変化するものという意味もあります。

理科の実験でバーナーで燃やす実験しましたよね!?

理科の実験であつかうものもすべて色です。酸素も普通は物質とはいいませんが、これも色です。だって冷やすと液体酸素になりますよね!?

要するに、世の中にある、気体・液体・固体はすべて色というわけです。ちなみに遺伝子や素粒子も全部色です。

涅槃

最後の勝義諦は涅槃です。これは、私たちには分かりにくい概念ですね。

すべての苦しみが滅した、完全なる幸せの状態という意味です。ですが、これは今の私たちでは理解できません。

魚に、『富士山の頂上の花の美しさを理解しなさい』と言っても無理なのと同じです。魚は水から出たことありませんから、富士山はもとより、陸地の事ですら分かりません。理解するには、実際に陸地へ上がって、富士山に登ってみる必要があります。

その方法を仏教ではお伝えしています。

世俗諦(せぞくたい)

さて、勝義諦ともう一つの真実は世俗諦です。勝義諦のところでもチラッとお話しましたが、世俗諦とは世間で言われている一般的な真実の事です。

例えば、
  • 私は女性だ
  • これは家だ
  • これは車だ
  • 24時間やっているお店はコンビにだ
  • 食べ物はスーパーで売っている
  • お茶を飲む
ここでいう、女性、家、車、コンビニ、スーパーとかはすべて世俗諦です。

勝義諦と何が違うか?

世俗諦は変化するのです。

例えば、車は分解するとネジ、ガラス、ゴム、鉄板、オイルなどになります。それらの部品をただ集めても車とは言いませんね。

きちんと組み立ててはじめてと呼ばれます。

一方、勝義諦はそれ以上分解できませんし、時間や環境で変化する事もありません。私たちが、真実と思っているのは、ほとんどは世俗諦の事なんですね。