道を得た人を分類する

道には次の4つの段階があり、それぞれの道ごとに捨断する煩悩も違ってきます。

預流道

預流道を得ることで十煩悩のうち、見、疑心所を完全に捨断します。そのため見、疑心所が相応する不善心は生じなくなります。詳しくは「預流果」を参照。

また、見、疑心所が相応しない不善心は生じる可能性がありますが、離善地に生まれる業になるような強い不善心はもう生じません。

そして、掉挙相応心も離善地に生まれ変わる業をつくるほどのエネルギーがもともとないので(1因のため)、預流果に悟った人は二度と離善地に結生することはありません。

最高でも7回まで欲界に結生する可能性があり、7回以内に阿羅漢に達するのです。

一来道

一来道では新しく煩悩を捨断することはありませんが、貪、瞋、痴といった煩悩のエネルギーをさらに弱めます。一来道を得た人は一度だけ欲界地に結生します。

不還道

そして、不還道では瞋と欲貪が完全に捨断されます。欲貪とは「おいしいものを食べたい」「きれいな服を着たい」などのいわゆる俗レベルの欲という意味です。

しかし、梵天界に生まれて長生きしたいというような色貪、無色貪(有貪)はまだ残っています。

阿羅漢道

残っているすべての煩悩(不善心所)を捨断します。これによっていずれの地にも二度と生まれることはありません。