その次の刹那に種姓心という最後の近行定が生じます。そして、その次の刹那には道心という安止定に入ります。
つまり順番で言うと
- 有分
- 有分捨断
- 意門引転心
- 遍作(近行定)
- 近行(近行定)
- 随順(近行定)
- 種姓(近行定)
- 道(安止定)
- 果(安止定)
- 果(安止定)
- 有分
余談ですが、速通達者の場合、遍作が生じないので、1心刹那空きができます。その1心刹那分多く果が生じます。
さて、以上のように道が生じた際に、四聖諦を直接理解したという道智が生じます。
道智には、
- 預流道智
- 一来道智
- 不還道智
- 阿羅漢道智
観察智の生起
安止路では果が滅して最後に有分に落ちます(要するに禅定から出る)。この後に、「自分が体験した道や果とはどのようなものであったか?」という道や果を観察する路(観察路)が生じます。このときの観察路は以下のようになります。
- 有分
- 有分捨断
- 意門引転心
- 観察智
- 観察智
- 観察智
- 観察智
- 観察智
- 観察智
- 観察智
- 有分
- 「私はこの道によって涅槃を得た」と道を観察する路
- 「私は道の功徳をも得た」と果を観察する路
- 「私は涅槃を体験した」と涅槃を観察する路
- 「私はこれこれの煩悩を捨断した」と捨段した煩悩を観察する路
- 「私にはこれこれの煩悩が残っている」と残っている煩悩を観察する路
さらに、
- 預流道の後に生じる可能性がある観察路は5つです。
- 一来道の後に生じる可能性がある観察路は5つです。
- 不還道の後に生じる可能性がある観察路は5つです。
- 阿羅漢道の後に生じる可能性がある観察路は4つです。(煩悩が残っていないため5番目の観察路は生じない)