また、これらの疑いを晴らすためには、名色の縁をよく観察する必要があります。
色の縁を観察する例
縁として、業、心、時節、食があると観察します。例えば、結生時に生じるカララは、無明・渇愛に基づく過去の業によって生じます。
さらに、生起時における眼、耳などの色は業、心、時節、食などを縁として生じます。
名の縁を観察する例
善心が生じる場合は、その縁としての如理作意を観察します。不善心が生じる場合は、その縁としての非如理作意を観察します。また異熟心は過去になした善・不善業によって生じ、唯作心は有分捨断によって生じることを観察します。
以上のように、度疑清浄に達した修行者は一時的に見と疑が遮断されることから小預流果とも呼ばれます。
8種の疑
8疑とは以下の8つに対する疑いのことです。- 仏に対する疑い
- 法に対する疑い
- 相に対する疑い
- 三学(戒、定、慧)に対する疑い
- 過去に対する疑い
- 未来に対する疑い
- 過去と未来に対する疑い
- 縁起の教えに対する疑い
16種の疑
過去
- 真我、魂、私は過去に生じたのか?
- 真我、魂、私は過去に生じなかったのか?(生じなかったのだろう)
- 過去にどのような生だったか?(王、大臣など)
- 過去にどのような容姿だったか?(痩せている、太っているなど)
- 過去にどのような生で、その後どうなったか?(王の生の後長者になったなど)
現在
- 真我、魂、私は本当にあるのか?
- 真我、魂、私はないのか?
- どのような生か?(王、大臣など)
- どのような容姿か?(痩せている、太っているなど)
- 私はどのような生から来たか?
- この生が終わって、どのような生になるか?
未来
- 真我、魂、私は将来生じるのか?(永遠論)
- 真我、魂、私は将来生じないのか?(断滅論)
- 将来どのようななるのか?(王、大臣など)
- 将来どのような容姿になるのか?(痩せている、太っているなど)
- 将来どのような生になり、その後どうなるのか?(王の生の後神になるなど)