ラベル 9瞑想対象の分析/1止の瞑想対象 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 9瞑想対象の分析/1止の瞑想対象 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

相で分類する

三相

止の瞑想の対象は、次にあげる三相に分類することができます。

遍作相

最初に止の瞑想をするときに所縁となるものが遍作相と呼ばれます。つまり遍作修習において最初に所縁となるものが遍作相です。

例えば地遍を修習する場合、まず目の細かいきれいな土で直径30cmくらいの円(地遍)をつくります。

その地遍から120cmくらい離れて座って、地遍を凝視しながら「地」「地」と念じます。その時に、時には地遍を凝視し、時には眼を閉じて心の中で思い浮かべます。

このときの所縁が遍作相であり、このときの修習が遍作修習です。

取相

さらに遍作相を修習すると、眼を閉じても、まるで眼を開けているときのように地遍が所縁としてはっきりと心に表れて来るようになります。このときの所縁が取相です。

また、このときの修習も遍作修習なのですが、遍作相を所縁としているときよりもより修習の度合いが深まっています。

似相

さらに取相を修習すると、取相と形も大きさも等しく、取相よりもより清らかな所縁が心に現れてきます。

遍作相、取相はもともと土でつくられた地遍によってできた、いわば色(物質)に依存した所縁でした。

しかし、似相になると完全に色から切り離された、修習の力によってできた施設になります。そして、似相を所縁としたときの修習が近行修習です。

さらに、似相を所縁として近行修習を続けると、色界初禅が安止した安止修習という状態に達します。

色界禅の生起

止の瞑想をするにあたって、所縁は
  • 遍作相
  • 取相
  • 似相
といった3つの段階を経ます。例えば、地遍を修習して色界初禅に至る場合、次のような流れになります。
  • 地遍 - 遍作相 - 遍作修習
  • 地遍 - 取相 - 遍作修習
  • 地遍 - 似相 - 近行修習
  • 地遍 - 似相 - 安止修習(色界初禅)
さらに、色界第二禅を目指す場合は、色界初禅に自分の思いのまま入ったり出たりできるように訓練する必要があります。(五自在)

色界初禅において五自在を得て、第二禅を目指すとき、初禅の時に所縁とした似相を続けて所縁として修習します。例えば、地遍の場合は次にようになります。
  • 地遍 - 似相 - 遍作修習
  • 地遍 - 似相 - 近行修習
  • 地遍 - 似相 - 安止修習(色界第二禅)
以降、同じように色界第五禅まで得られます。そして、似相は
  • 十遍10
  • 十不浄10
  • 身起念1
  • 出入息念1
の22の止の修習において得られます。

五自在

色界初禅から色界第二禅に、色界第二禅から色界第三禅にというように次のステージの禅定に達するには、まず今いるステージの禅定を自在にコントロールできなければなりません。

このとき5つの自在が必要であると言われます。その5つとは以下の通りです。

引転自在

出定した後、すぐに五禅支(尋、伺、喜、楽、一境性)に心を引転できること。

入定自在

禅定に入りたいときは、自分の思いのまますぐに禅定に入れること。

在定自在

自分が望む時間をずっと禅定に入っていられること。

出定自在

自分が予め予定していた時間の通りに禅定から出られること。

観察自在

五禅支を自在に観察できること。引転自在を得たならば自動的に観察路が生じるので観察自在も得られます。

無色界禅の生起

十遍のうち虚空遍を除いた九遍に対し、それが無い状態(空施設)を念じます。これが、初無色界の遍作修習です。

さらに修習を続けると、色界第五禅に対する欲求がなくなって近行修習に達します。

その後さらに修習を続けると、初無色界である空無辺処定(安止修習)に達します。
  • 空施設 - 遍作修習
  • 空施設 - 近行修習
  • 空施設 - 安止修習(空無辺処)
さらに、その初無色界識(初無色界善心)を所縁として、「無辺である」と念じることで、第二無色界識である識無辺処に達します。

さらに、初無色界識(初無色界善心)が無であることに対して「何もない」と念じることで、第三無色界識である無所有処に達します。

さらに、その第三無色界識を所縁として、「これは寂静である。」と念じることで、第四無色界識である非想非非想処に達します。

神通の生起

色界第五禅に達して、定力が強くなって明瞭になると、色界第五禅心に相応している慧が神通を得られる状態に達します。

過去世で神通を得るにふさわしい徳を積んだ人に関しては、阿羅漢道に達したり第五禅に入るだけで神通を得られることもあります。

しかし、それ以外の人に関しては、まず色界禅、無色界禅の計9つの禅定を全てマスターする必要があります。

そして、
  • 色界初禅 → 入定 → 出定
  • 色界第二禅 → 入定 → 出定
  • ・・・
というように、順番に禅定に入っていき、無色界第四禅に達したら、逆に
  • 無色界第四禅 → 入定 → 出定
  • 無色界第三禅 → 入定 → 出定
  • ・・・
というように、順番に下っていきます。そのように、9つの禅定に対して五自在を得ることによって、神通を得られるようになります。

まとめますと、
  • 神通は色界第五禅心のある特殊な状態である。
  • 色界第五禅に入ったからといって神通に入れるわけではない。
  • 多くの場合、神通に入るには色界、無色界の計9禅において、五自在を得る必要がある。
ということになります。

神通の種類

神通には以下の5種類あります。

神変

「百になろう。」「千になろう。」などと思えば、その数に自分の分身を化作できる能力。分身の術みたいな感じですかね。

天耳

遠くの声や小さな声など、通常の生命には聞き取れない声を聴く能力です。

他心知

他人の心を手に取るように理解できる能力です。

宿住随念

過去生の出来事や考えなどを知ることができる能力です。

天眼

通常肉眼では見えない、非常に遠くのものや、微小な色を見ることができる能力です。

修習で分類する

修習の段階で瞑想対象を分類

ここでの修習とは禅定に入る前段階の状態を指します。修習には次の3つのレベルがあり、40の止の修習において、それぞれ到達できるレベルが異なります。

遍作修習

修習の第一段階の状態が遍作修習です。

この状態を得るには、例えば地遍を対象に修習する場合、まず目の細かいきれいな土を直径30cmくらいの円形(地遍)にします。それを対象に瞑想をするときその所縁を遍作相と言います。

さらに、瞑想が進むと目をとじても(地遍を見なくても)意識上にイメージが現れるようになります。このイメージが取相です。

遍作修習は修習の第一段階の状態であるため、40すべての修習において得られます。

近行修習

遍作修習がさらに進むと、第二段階目の近行修習に達します。この状態になると、所縁は取相よりもさらに澄み切った似相と呼ばれるものになります。

以下の10は修習すれば近行修習まで達しますが、安止修習に達することはできません。
  • 仏随念(十随念)
  • 法随念(十随念)
  • 僧随念(十随念)
  • 戒随念(十随念)
  • 捨随念(十随念)
  • 天随念(十随念)
  • 寂止随念(十随念)
  • 死随念(十随念)
  • 食厭想
  • 四界差別
つまり十随念に関しては修習しても禅定に入れないということですね。

安止修習

近行修習がさらに進むと安止修習に達します。この状態で初めて安止修習と呼ばれる禅定に入った状態になります。

十随念をのぞく30の修習対象が安止修習に達することができます。(つまり禅定に入れる)

禅定の段階で瞑想対象を分類

禅定に入れるのは、30の止の瞑想でした。さらに、それぞれの瞑想ごとに、禅定に入れるレベルも異なってきます。以下に列挙します。

初禅まで入れる

  • 十不浄
  • 身起念(十随念)

第四禅まで入れる

  • 慈(四無量)
  • 悲(四無量)
  • 喜(四無量)

第五禅まで入れる

  • 十遍
  • 出入息念(十随念)
  • 捨(四無量)

無色界禅まで入れる

  • 四無色
四無色のうち、施設である瞑想対象は空施設、無処有施設の2つです。また、この回で列挙した色界禅の瞑想対象もすべて施設であり、その数は26です。

つまり、40の止の瞑想対象のうち、26+2=28が施設業処と呼ばれます。そして、40-28=12の残りの瞑想対象が、第一義業処と呼ばれます。

性格の適性で分類

その人の持って生まれた性格は、大きく分けて次の6つに分類できます。6つ性格は以下の5つの基準で判断します。
  1. 歩き方の姿勢
  2. 掃除、洗濯などの日常作業
  3. 好きな食べ物
  4. 見方、聞き方
  5. 善心、不善心の生まれ方
それでは、順番に見てみましょう。

貪性

性格

欲が生まれやすい性格。
  1. 歩き方、座り方などの姿勢は優美
  2. 掃除、洗濯などの日常作業は丁寧
  3. 好きな食べ物は甘いもの、香りのよいもの
  4. 好ましいものや声があればちょっとしたものでもすぐに執着する
  5. こび諂ったり、人を誑かしたりしがち

適した瞑想対象

  • 十不浄
  • 身起念

瞋性

性格

怒りが生まれやすい性格。
  1. 歩き方、座り方などの姿勢は粗野
  2. 掃除、洗濯などの日常作業は乱雑
  3. 好きな食べ物は酸いもの
  4. 不快なものや声があればちょっとしたものでもすぐに腹を立てる
  5. 怒り、嫉妬、ケチ、後悔などが生じやすい

適した瞑想対象

  • 四無量
  • 青遍
  • 黄遍
  • 赤遍
  • 白遍

痴性

性格

愚鈍な性格。
  1. 歩き方、座り方などの姿勢はだらしない
  2. 掃除、洗濯などの日常作業は無気力
  3. 好きな食べ物はこれといってない
  4. 自分の意見がなく人の意見に従う
  5. 惛沈、睡眠、掉挙などが生じやすい

適した瞑想対象

  • 出入息念

信性

性格

信が生まれやすい性格。
  1. 歩き方、座り方などの姿勢は優美
  2. 掃除、洗濯などの日常作業は丁寧
  3. 好きな食べ物は甘いもの、香りのよいもの
  4. 好ましいものや声があればちょっとしたものでもすぐに執着する
  5. 施などの善業道が生じやすい

適した瞑想対象

  • 仏随念
  • 法随念
  • 僧随念
  • 戒随念
  • 捨随念
  • 天随念

覚性

性格

智慧が生まれやすく、批判的な性格。
  1. 歩き方、座り方などの姿勢は粗野
  2. 掃除、洗濯などの日常作業は乱雑
  3. 好きな食べ物は酸いもの
  4. 不快なものや声があればちょっとしたものでもすぐに腹を立てる
  5. 智慧が生まれやすい

適した瞑想対象

  • 死随念
  • 寂止随念
  • 食厭相
  • 四界差別

尋性

性格

考え事が多く落ち着かない性格。
  1. 歩き方、座り方などの姿勢はだらしない
  2. 掃除、洗濯などの日常作業は無気力
  3. 好きな食べ物はこれといってない
  4. 自分の意見がなく人の意見に従う
  5. 尋(思考)が生まれやすい

適した瞑想対象

  • 出入息念

まとめ

実際はどれか一つだけの性格であることはなく、いくつかの性格が複合している場合がほとんどです。

また、残りの以下にあげる10の瞑想対象は、すべての性格の人に適しています。
  • 地遍
  • 水遍
  • 火遍
  • 風遍
  • 虚空遍
  • 光明遍
  • 四無色4
さらに、遍の場合は、大きな遍、小さな遍があります。

大きな遍は心の静まらない痴性者の心を和らげて、瞑想をはかどりやすくします。
小さな遍は考え込む性格の尋性者の心を和らげて、瞑想をはかどりやすくします。

止の瞑想対象40

十遍

遍とは心を一点に集中させるために、凝視する対象のことです。遍には以下の十遍があります。
  1. 地遍
  2. 水遍
  3. 火遍
  4. 風遍
  5. 青遍
  6. 黄遍
  7. 赤遍
  8. 白遍
  9. 虚空遍
  10. 光明遍
例えば、地遍とは直径30cmくらいの円形の地(土)で、それに集中することで得られる禅を地遍禅と言います。他、水遍なども地遍と同様です。

また、十遍といった瞑想対象にはそれぞれ固有の力があります。

例えば、地遍を修習して神通を得たならば、空中や水面に地を化作して地面の上と同じように歩いたり、座ったりできるようになります。

水遍なら、雨を降らせたり、地中に潜ったりできるようになります。

風遍なら、風のように行き来できるようになります。

十不浄

不浄とは「身体は浄である」という思い違いを打ち破り、あるがまま不浄であることを見る智慧をつけるための瞑想対象です。以下の10の不浄があります。

膨張屍

死後、数日を経て膨張してきた厭わしい死体のこと。

雑青屍

白、赤などの色が雑ざった青黒く変色した厭わしい死体のこと。

漏膿屍

身体の各部の破れた所から膿が漏れ出している厭わしい死体のこと。

切断屍

二つに切断された厭わしい死体のこと。

食残屍

犬やハゲタカなどが食い散らかした厭わしい死体のこと。

散乱屍

手・足・頭などがあちこちに散乱した厭わしい死体のこと。

斬刻散乱屍

五体が別々に切り刻まれてあちこちに投げ捨てられた厭わしい死体のこと。

血塗屍

流れ出た血で塗られた死体のこと。

蛆充満屍

蛆虫が全身にわいている死体のこと。

骸骨屍

骨だけになった厭わしい死体のこと。

十随念

随念とは繰り返し念じることです。繰り返し念じる対象には以下の10あります。

仏随念

阿羅漢などの仏徳を所縁として繰り返し念じること。

法随念

経典をはじめとする、道・果・涅槃などの法徳を所縁として繰り返し念じること。

僧随念

聖なる僧団の徳を所縁として繰り返し念じること。

戒随念

自分が守っている戒による徳を所縁として繰り返し念じること。

捨随念

自分が行っている布施の徳を所縁として繰り返し念じること。

天随念

「信などを持つことで諸天に生まれた天衆がいて、それら天衆と同じ信を自分も持っている」というように、自分に備わる信などの徳を所縁として繰り返し念じること。

寂止随念

一切苦の寂滅である涅槃の徳を所縁として繰り返し念じること。

死随念

「自分も確実に死ぬのだ」という概念を所縁として繰り返し念じること。

身起念

毛髪などの32の身体の部分を所縁として繰り返し念じること。

出入息念

出息、入息を所縁として繰り返し念じること。

四無量

慈悲喜捨の4つを四無量と言います。

あらゆる生命を慈しんで楽を与えたい(幸せであってほしい)と思うこと。自性は無瞋心所です。

ただし、すべての無瞋心所=慈というわけではありません。例えば、一生懸命勉強しているときも、無瞋心所が生じますが、このときの無瞋心所は慈の働きをしません。

あくまで、慈しみを受ける対象になる生命がいて、その生命が幸せであってほしいと念じるときに無瞋心所は慈のはたらきをします。

しかし、妻子をかわいがりたいという気持ちは慈しみではなく、本能的な渇愛です。

苦しんでいる生命に対して、その苦しみがなくなって楽になれるようにと思うことです。自性は無量心所の悲心所です。

楽を感じている生命に対して、その楽がずっと続きますようにと思うことです。自性は無量心所の喜心所です。

苦でも楽でもない平静の生命に対して、「すべての生命は業を自己とする」と冷静に見ること。

以上四無量において、慈悲喜の3つの修習によっては色界第四禅まで、捨の修習によって色界第五禅に入定できます。

一想(食厭相)

食厭相を一想と言います。

食物を食べることには、托鉢などの様々な煩わしさがついてきます。その煩わしさを観察することで、食物を厭う思いが生じます。これが食厭相です。

ここでは、食物が所縁であり、食厭相が能縁(所縁をとる心)という関係になっています。

一差別

一差別とは四界差別のことです。四界とは、地、水、火、風の四大種を指します。自身の身体を、地、水、火、風の四大種によって区別して理解する智が四界差別の意味です。
  • この部分は地である。
  • この部分は水である。
  • この部分は火である。
  • この部分は風である。
というように、観察するわけですね。

四無色

無色界禅定を修習するための4つの瞑想対象が四無色です。
  • 第一無色界に入るための所縁 → 空施設所縁
  • 第二無色界に入るための所縁 → 初無色識所縁
  • 第三無色界に入るための所縁 → 無処有施設所縁
  • 第四無色界に入るための所縁 → 第三無色識所縁