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不善心まとめ

さて、12個の不善心にふれてきました。

もう一回おさらいしましょう。あなたと机の違いは何でしたか?
  • 机は単なる物体で、
  • あなたはものごとを認識できるはたらきをもった物体
でしたね。

このものごとを認識できるはたらきの事を仏教では心といいます。

さらに、心には
  • 不善心・・・苦しみの原因になる心
  • 善心・・・幸せの原因になる心
  • 無記心・・・上の2つ以外の心
に大きく分類されます。

そのうち不善心は
  • 貪根心・・・欲の心8種類
  • 瞋根心・・・怒りの心2種類
  • 痴根心・・・無知の心2種類
で合計12種類ありました。

一般的に心を表現するとき、罪悪感や、悲しみや、優越感など色んな言葉があります。ですが、これらは3種類の不善心のどこかに分類されるとお考え下さい。

イメージで言うと
  1. 地球
  2. 陸地、海
  3. 日本、アメリカ、中国、太平洋、大西洋・・・・
  4. 東京都、大阪府・・・・
のように、一番大きなものからもれなく分類しているわけですね。

ですから、『堀口ビルがどこにあるか?』という事は最後に考えます。
もちろん必要があればですけど。。

ちなみに、罪悪感、悲しみは瞋根心で、優越感は貪根心です。これについては後でまたふれていきますね^^

痴根心

3つの不善心の最後は、痴根心です。

痴とは無知という意味で、簡単に言うと、頭が働いていない状態をさします。

普通は、無知というと心の分類っぽくないですが、仏教ではこれも大切な分類の一つです。

なぜなら、
  • 人は無知だから誤解する
  • 誤解するから苦しみを喜びと思う
  • 苦しみを喜びと思うから、実際に苦しむ
という連鎖にはまっているからです。

ワケもなくなんとなくやってしまうようなイメージですかね。

痴根心は2つあります。

疑相応

痴根心の一つ目は疑相応です。相応というのはともなっているという意味です。ですから、疑相応というのは疑いをともなっているという意味になりますね。

痴根心、疑相応とは、はっきりした根拠もなく、何となく疑っている状態の事をさします。

たとえば、石には心はありませんね?

だって、石は「踏まれて痛い」とか、「今日は晴れてて気持ちいいな」とか思わないからです。

それは、明らかな事実ですが、そう聞いても「本当かな?実は石の中にも小さい養成みたいなのがいて・・・」とか、事実を疑った場合、疑相応ということになります。

何でも信じればいいわけでもないですよ!

ちゃんと事実を事実として理解するのは知恵です。事実じゃないものを事実じゃないと理解するのも知恵です。

一方で、事実を「事実じゃないんじゃないか?」と疑うのが疑相応です。

掉挙(じょうこ)相応

痴根心2つめは掉挙(じょうこ)相応心です。

掉挙(じょうこ)とは、心が浮ついている状態のことです。現代風に言うと、混乱とか焦りとかいうイメージでしょうか。

焦ってると目の前に探し物があるのに、気づかないという事がありますね。

このように事実がはっきり分からないという意味で、掉挙(じょうこ)相応心も痴根心の仲間になるわけです。

まとめ

痴根心の主な性質は無知です。

ものごとを正確に理解できないという意味ですね。そこには2種類ありました。

疑相応

根拠もなく何となく疑う心。

掉挙(じょうこ)相応

混乱・焦りで事実を正確に理解できない。

どちらも、ものごとを正確に理解できない、つまり無知が関係しているのがよく分かりますね。

瞋根心

瞋根心とは怒りの心です。

怒りといっても、一般的に言う怒りよりも広い意味があります。

というのは、欲が満たされなかったときの、感情を全て怒りとして扱うからです。

だから、
  • 悲しい
  • イライラする
  • 嫉妬心
  • 自己嫌悪
  • 後悔
  • ケチ
みたいな感情は全部、瞋根心というわけです。瞋根心も1つのパターンで2つ分けられます。

意志の強さで分ける

瞋根心は意志の強さでだけ分けます。

というのも、怒りを貪根心みたいにワクワクするかしないかで分けるのはおかしいですよね!?

強い

文句を言われた瞬間に、キレて大声でどなり返すケースなど

弱い

文句を言われても、よくよく考えてじわじわと腹が立ってくるケースなど

もう一度いいますが、瞋根心は単に怒りという意味だけではありません。6つの機関(5感+心)で感じた対象を嫌がる心が全て瞋根心なのです。

まとめ

瞋根心は、6つの機関(5感+心)で感じた対象を嫌がる心のことでした。

もっというと
  • 感じた対象に対して、『こっちに来い!』というのが貪根心
  • 感じた対象に対して、『あっちに行け!』というのが瞋根心
というわけです。

瞋根心は2つです。
  • 瞋根心・憂倶・無行
  • 瞋根心・憂倶・有行
単純ですね^^

でもこのように大きなくくりで分けているので、瞋根心には色んな感情が含まれています。

例えば、これらはおなじみの感情ですね。
  • 悲しい
  • イライラする
  • 嫉妬心
  • 自己嫌悪
  • 後悔
  • ケチ
など、まだまだたくさんあるでしょうが、イメージはつかんで頂けましたか?これらはすべて瞋根心に分類されます。

貪根心

私たちは5感+心の6つの機能で情報を受け取っています。

例えば、

あなたのほっぺたを針でチクッとすると、『痛い!』って思いますよね!?

でも、あなたが歯医者で麻酔をした後に、誰かが針でチクッとしても気づかないかもしれません。気づかないという事は、あなたにとってなかった事なのです。

逆に言うと、私たちは6つの機能で感じられた事にだけ、いいとか悪いとか判断します。このときに『いい』と感じた時に生まれる心が貪根心です。

イメージで言うと、『あ~もっとちょうだい!もっとちょうだい!』って感じですかね。

一般的な言い方をすると欲望です。

さて、この貪根心はさらに、3パターンで分ける事ができます。

喜びの有無でわける

貪根心の一つ目のわけ方は、喜びの有無です。

喜びがある場合

子供たちがゲーム感覚でどろぼうをする場合など。

喜びがない場合

ただ欲しいからという理由で、平然とどろぼうした場合など。

まあ、ワクワクしながら欲を満たそうとするか、平然と満たそうとするかの差ですね。

思い込みで分ける

思い込みで分けるとは、言い換えれば、悪い事を悪いと思い込んでいるかどうかという事です。

悪見相応

これは、悪い事をいい事だと思い込んでいるケースです。例えば、自分は生活に苦しいからどろぼうは正当だと思っている人

悪見不相応

これは、悪い事は悪い事と思い込んでいるケースです。例えば、どろぼうはいけない事だけど、生活に苦しいからどろぼうしようと思っている人

という感じですかね。

意志の強さでわける

最後のわけ方は意志の強さです。またどろぼうの例をあげてみましょう。

無行

無行とは「まわりの働きかけなしに」という意味です。一人でも進んで行動するため意志が強いわけです。

有行

有行とは「まわりの働きかけ有って」という意味です。一人じゃ行けないけど、まわりの働きかけあって初めて行動するので意志が弱いのです。

貪根心は全部で8つ

さて、これまで貪根心の3つの分け方を見てきました。

おさらいしましょう。
  1. ワクワクしてるか、平常心か
  2. 悪いと理解しているか、理解していないか
  3. 意志が強いか、弱いか
それぞれ2つずつあるので、

2×2×2 で 8つの貪根心の種類がある事になります。
  • 貪根心・喜倶・悪見相応・無行
  • 貪根心・喜倶・悪見相応・有行
  • 貪根心・捨倶・悪見相応・無行
  • 貪根心・捨倶・悪見相応・有行
  • 貪根心・喜倶・悪見不相応・無行
  • 貪根心・喜倶・悪見不相応・有行
  • 貪根心・捨倶・悪見不相応・無行
  • 貪根心・捨倶・悪見不相応・有行
例えば、ワクワクしていて、悪いことをやっても問題ない事と思い込んでいて、意志が強い貪根心の場合。

どろぼうが楽しくて仕方ないんだ。
見つかるか見つからないかのスリルがたまんないね!
こんな楽しい事なんでみんなやらないんだろ。
この世に一人になっても続けるぞ!

なんて考えの人がいたら、そういう貪根心に当てはまるでしょう。

貪根心は欲の心ですが、一般的に私たちが使う『欲』という言葉とは違います。

というのも、6つの機関(五感+心)で、感じた対象を『もっと!もっと!』と、求める心がすべて貪根心だからです。

だから、
  • おいしいものをもっと食べたい
  • もっとイイ男と付き合いたい
  • この音楽もっと聴きたい
  • このアロマの香りにいつもつつまれていたい
  • 自分がお金持ちになる妄想をもっとしたい
などは全部、貪根心です。

不善心

不善心とは悪い心という意味です。

何をもって悪いって言うの??

と疑問がわきそうですね。

それは、苦しみ・不幸のもととなる心かどうかで判断しています。

さて、この不善心にはリーダーが3人います。(まあ、3人と言ってもあくまで例えですが)
  • 貪(とん)
  • 瞋(じん)
  • 痴(ち)
の3人です。この3人が心の中で暴れるとき、私たちはつらーく感じるわけですね。