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意門路心の自性

意門路心を作用(はたらき)別に見ると
  • 意門引転心1心刹那
  • 速行心7心刹那
  • 彼所縁2心刹那
の3種、10心刹那になります。

また、意門路に生じる心は以下の通りです。

まず、ここで扱っている意門路は欲界心の場合ですので、まず欲界心54が対象です。

そのうち、五識と呼ばれる
  • 眼識×2
  • 耳識×2
  • 鼻識×2
  • 舌識×2
  • 身識×2
の計10と、意界と呼ばれる
  • 五門引転心1
  • 領受心2
の計3は、五門路にしか生じません。

つまり、欲界心54-五識10-意界3=41 が欲界心の意門路に生じる心になります。

意門の所縁

意門が所縁としてとるものは法所縁と呼ばれ、以下のものが該当します。
  • 浄色5
  • 細色16
  • 心所
  • 施設(離時)
  • 涅槃(離時)
これらをより分かりやすく以下の10項目に分類できます。

経験したもの

自分が五感を通して経験したものが後に所縁として表れて来る場合です。

例えば私たちは実際に自分で見たり、聞いたり、嗅いだり、食べたり、触れたり、知ったりしたあらゆる所縁を思い出します。

このとき、それらの過去所縁が意門に触れて意門路が生じるわけですね。

人から聞いたもの

これは自分が体験したのではなく、人から色・声・香・味・触・法所縁について聞いたことを、後で思ったり考えたりするケースです。

経験したもの人から聞いたもの両者に関係したもの

自分の経験と、人から得た情報が混ざって、また別のイメージが連想されるケースなどです。

例えば、
  • あなたが上司にきつく叱られました。(自分で体験)
  • そのときちょうど、あなたの同僚がその上司の文句を言っていました。(人から聞いた)
  • すると、あなたは「あの上司はきっと誰からも嫌われているのだ」との思いを抱きました。(連想)
という場合、「あの上司はきっと誰からも嫌われている」という思いが今回のケースに当てはまります。

信じたもの

自分が直接体験していなくても、人が言ったこと・書いたことなどをそのまま信じることですね。

みのもんたさんが「○○ダイエットがおすすめ」と言ったら、そのまま信じてしまうようなケースですね。そして、その信じたものが所縁として意門に触れます。

好きなもの

自分の好きなものは、たとえ目の前になくてもイメージとなって意門に表れます。

行相の考察

心・心所・色・涅槃などの形相を考察することで、それら実法のいろいろな形相が意門に現れるケースです。

智審察の認定

智審察とは、智慧によって明らかに考察するという意味です。

つまり、智審察の認定とは、事実をあるがままに認知することで、その認知されたものが意門に所縁として現れるケースです。

業力、神通力

死ぬ直前の速行心は自分が過去になした行為が所縁に現れることがあります。

また、神通力によってもいろいろなことが意門に現れます。

界の振動、神の授与

界の振動とは、体内の血液、空気、熱などの界が振動するという意味です。分かりやすくいうと、体調不良により妄想が起こるケースなどですね。

また、神の授与とは諸天衆が化作して男や女などの姿を見せるとき、それらは意門の所縁となります。

知覚、開悟

四聖諦を理解するにあたって
  • 世間智での理解を知覚
  • 出世間智での理解を開悟
と言います。

意門路-欲界速行の場合

五門路では、
  • 眼は色所縁
  • 耳は声所縁
  • 鼻は香所縁
  • 舌は味所縁
  • 身は触所縁
というように、五つの感覚器官それぞれに、対応する物質(所縁)が一つずつありました。

これらの五所縁は仏教的に言うと、どれも17心刹那の寿命を持ったれっきとした物質です。一方で、意門がとる所縁は法所縁と言われ、以下のものが該当します。
  • 浄色5
  • 細色16
  • 心所
  • 施設
  • 涅槃
欲界心の場合、涅槃を所縁にとることはありませんので、以下のような分類になります。
  • 物質を所縁に取る・・・浄色5、細色16
  • 物質以外を所縁に取る・・・心、心所、施設
また、意門路は次の2つのパターンがあります。
  • 明瞭所縁による意門路
  • 不明瞭所縁による意門路

明瞭所縁

明瞭所縁
  • (有分心)
  • 有分動揺
  • 有分捨断
  • 意門引転
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 彼所縁
  • 彼所縁
  • (有分心)
イメージ・概念がはっきりしている場合は、上のように有分動揺に始まり、彼所縁で終わります。またこのとき過去有分は最初に生じません。

というのも、過去有分は物質と比較したときの概念なので、この場合は無関係だからです。明瞭所縁は12心刹那で終了します。

不明瞭所縁

一方、イメージ・概念がハッキリしていない場合は次のような流れになります。

不明瞭所縁
  • (有分心)
  • 有分動揺
  • 有分捨断
  • 意門引転
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • 速行
  • (有分心)
速行の後に彼所縁2回が生まれないわけですね。10心刹那で終了です。

まとめ

五門路の場合は、大所縁、小所縁などで分け、意門路の場合は明瞭、不明瞭で分けた。

この2つの違いは、五門路の場合は所縁を基準で分けているのに対し、意門路の場合は心を基準に分けているということだ。

どういうことか?
  • 五門路の場合は、所縁によって生じる心が変わる。だから所縁が主、心が従。
  • 意門路の場合は、心の状態によって生じる所縁が変わる。だから心が主、所縁が従。
ということだ。