貪根心

私たちは5感+心の6つの機能で情報を受け取っています。

例えば、

あなたのほっぺたを針でチクッとすると、『痛い!』って思いますよね!?

でも、あなたが歯医者で麻酔をした後に、誰かが針でチクッとしても気づかないかもしれません。気づかないという事は、あなたにとってなかった事なのです。

逆に言うと、私たちは6つの機能で感じられた事にだけ、いいとか悪いとか判断します。このときに『いい』と感じた時に生まれる心が貪根心です。

イメージで言うと、『あ~もっとちょうだい!もっとちょうだい!』って感じですかね。

一般的な言い方をすると欲望です。

さて、この貪根心はさらに、3パターンで分ける事ができます。

喜びの有無でわける

貪根心の一つ目のわけ方は、喜びの有無です。

喜びがある場合

子供たちがゲーム感覚でどろぼうをする場合など。

喜びがない場合

ただ欲しいからという理由で、平然とどろぼうした場合など。

まあ、ワクワクしながら欲を満たそうとするか、平然と満たそうとするかの差ですね。

思い込みで分ける

思い込みで分けるとは、言い換えれば、悪い事を悪いと思い込んでいるかどうかという事です。

悪見相応

これは、悪い事をいい事だと思い込んでいるケースです。例えば、自分は生活に苦しいからどろぼうは正当だと思っている人

悪見不相応

これは、悪い事は悪い事と思い込んでいるケースです。例えば、どろぼうはいけない事だけど、生活に苦しいからどろぼうしようと思っている人

という感じですかね。

意志の強さでわける

最後のわけ方は意志の強さです。またどろぼうの例をあげてみましょう。

無行

無行とは「まわりの働きかけなしに」という意味です。一人でも進んで行動するため意志が強いわけです。

有行

有行とは「まわりの働きかけ有って」という意味です。一人じゃ行けないけど、まわりの働きかけあって初めて行動するので意志が弱いのです。

貪根心は全部で8つ

さて、これまで貪根心の3つの分け方を見てきました。

おさらいしましょう。
  1. ワクワクしてるか、平常心か
  2. 悪いと理解しているか、理解していないか
  3. 意志が強いか、弱いか
それぞれ2つずつあるので、

2×2×2 で 8つの貪根心の種類がある事になります。
  • 貪根心・喜倶・悪見相応・無行
  • 貪根心・喜倶・悪見相応・有行
  • 貪根心・捨倶・悪見相応・無行
  • 貪根心・捨倶・悪見相応・有行
  • 貪根心・喜倶・悪見不相応・無行
  • 貪根心・喜倶・悪見不相応・有行
  • 貪根心・捨倶・悪見不相応・無行
  • 貪根心・捨倶・悪見不相応・有行
例えば、ワクワクしていて、悪いことをやっても問題ない事と思い込んでいて、意志が強い貪根心の場合。

どろぼうが楽しくて仕方ないんだ。
見つかるか見つからないかのスリルがたまんないね!
こんな楽しい事なんでみんなやらないんだろ。
この世に一人になっても続けるぞ!

なんて考えの人がいたら、そういう貪根心に当てはまるでしょう。

貪根心は欲の心ですが、一般的に私たちが使う『欲』という言葉とは違います。

というのも、6つの機関(五感+心)で、感じた対象を『もっと!もっと!』と、求める心がすべて貪根心だからです。

だから、
  • おいしいものをもっと食べたい
  • もっとイイ男と付き合いたい
  • この音楽もっと聴きたい
  • このアロマの香りにいつもつつまれていたい
  • 自分がお金持ちになる妄想をもっとしたい
などは全部、貪根心です。