所縁縁
所縁縁とは、心や心所を楽しませるはたらきをするもので、いわゆる所縁のことです。具体的には以下の6種の所縁が所縁縁と呼ばれます。- 色所縁
- 声所縁
- 香所縁
- 味所縁
- 触所縁
- 法所縁
- 89心
- 52心所
例えば、何かを見たときに生じる五門路をイメージしましょう。その時見たものは、色所縁という所縁縁になります。そして、所縁縁によって生じる五門引転心などの心は所縁縁所生になります。
親依縁
親依縁には、縁所生の強い依りどころになる縁という意味があります。具体的に3つの親依縁があります。自然親依縁
自然親依縁とは- 89心
- 52心所
- 28色
- 縁になり得る施設
- 89心
- 52心所
例えば、貪根心が生じたために、その貪根心を抑えるため布施をして、結果として大善心が生じたとします。この場合、貪根心は自然親依縁であり、結果生じた大善心は自然親依縁所生となります。
別の例では、Aさんがお金の亡者であり、Bさんはそれを見て嫌悪したとします。
この場合、Aさんのお金に対しての貪根心が自然親依縁であり、Bさんに生じた瞋根心が自然親依縁所生になります。このように自然親依縁は、自他に適宜、自然親依縁所生を生じさせます。
貪の他、自然親依縁は、信、楽、苦、人、食物、時節、住居などがあります。つまり、善心や不善心が生じるにあたって、極めて強い影響を与えるものが自然親依縁ですね。