五取蘊(固執の蘊)

取とは取著(しゅじゃく)、つまり固執という意味です。つまり取蘊とは固執の対象(所縁)となるという意味があります。

五取蘊も五蘊と同様に、
  • 色取蘊
  • 受取蘊
  • 想取蘊
  • 行取蘊
  • 識取蘊
の5つになります。

なぜ五蘊と五取蘊を分けるのか?

まず最初に法をあるがまま分類する形で五蘊が語られました。

ただ、単に五蘊と言う場合、阿羅漢に悟った人の構成要素も五蘊、我々のような凡人の構成要素も五蘊となり区別ができません。

しかし、阿羅漢に悟った人は五蘊(自分という人間)に執着しておらず、それ以外の人は五蘊(自分という人間)に執着が残っているという違いがあります。

また、阿羅漢以外の人はその執着の対象である五蘊を瞑想対象として、阿羅漢を目指すことから、阿羅漢以外の人の瞑想対象としての五蘊という意味を明確にするために、五取蘊という言葉が使われます。

要するに五取蘊とは悟ってない人の五蘊を意味しています。