四繫(けい)

繫とは訓読みをすると、「つなぐ」と読みます。

つまり、ここでいう繫とは貪などが生命の名聚(名の集合体)、色聚(色の集合体)を苦の輪廻転生から逃れられないように繫ぎとめる様を表しています。

繫には次の4つあります。

貪欲の聚繫

所縁を欲求することで、その実体は貪根心8に相応する貪心所です。

瞋恚の聚繫

怒りのことで、その実体は瞋根心2に相応する瞋心所です。

習性行の把持の聚繫(戒禁取)

牛や犬などの習性を修行すれば、煩悩が清められて輪廻から解脱できるという考えを持つことを意味します。(中部経典 第57犬行者経 参照)

これはつまり、苦しみの多い畜生の生き方をすることで、借金が早くなくなるがごとく、悪業が早く尽きて、解脱できることを期待したものです。

ここでいう習性行とは八正道がない修行で悟れると思っている邪見のことを指し、あらゆる習慣・文化を含むわけではありません。

実体は見心所。

これが真実であると固執する聚繫

自分の考えは誤り(邪見)であるに関わらず、それが真実だと思い込み、他の考えは皆誤りであると固執する邪見。

実体は見心所。