十二縁起の分類

三時で分類する

これまで上げてきた十二縁起ですが、過去・現在・未来の3つに分類できます。

過去時

  • 無明

現在時

  • 名色
  • 六所
  • 渇愛
  • 固執

未来時

  • 老死・愁・悲・苦・憂・悩み

十二支

十二縁起を、十二支と言うこともあります。
  1. 無明
  2. 名色
  3. 六所
  4. 渇愛
  5. 固執
  6. 老死
支とは、絶対必須な構成要素という意味があります。

ここで、12番目に愁・悲・苦・憂・悩がないことにお気づきでしょうか?

なぜなら、生があれば必ず老死がありますが、愁・悲・苦・憂・悩に関しては必ずとは言い切れないからです。

例えば、梵天の生命には愁・悲・苦・憂・悩はありませんし、人間でも生まれて間もない場合は愁・悲・苦・憂・悩がありません。

このように、愁・悲・苦・憂・悩はあくまで間接的な構成要素であるため、十二支には含めないのです。

二十行相

過去の因は、無明・行の2つですが、無明・行の2つがあれば自動的に渇愛・固執・有も付き従ってくるので、過去の行相は5と数えます。

また、現在の果は、識・名色・六処・触・受の5つです。

そして、現在の因は、渇愛・固執・有の3つですが、この3つがあれば自動的に無明・行が付き従ってくるため行相は5つと数えます。

最後に、未来の果は、生・老死の2つですが、生・老死には実体がなく、しいて言うと識・名色・六処・触・受に他ならないため、行相は5つと数えます。

つまり、5+5+5+5=20形相 となるわけです。

四合集

四合集とは
  • 過去の因(過去の業)
  • 現在の果(現在の生まれ)
  • 現在の因(現在の業)
  • 未来の果(未来の生まれ)
という4つです。

三連結

三連結とは、四合集をつなぐ連結の数です。
  • 過去の因(過去の業)
  • 現在の果(現在の生まれ)
  • 現在の因(現在の業)
  • 未来の果(未来の生まれ)
という四合集は、
  • 過去の因と現在の果 → 第一連結
  • 現在の果と現在の因 → 第二連結
  • 現在の因と未来の果 → 第三連結
の3つの連結によって成り立っています。これを三連結と呼びます。

三輪転

  • 無明・渇愛・固執は煩悩として分類できます。(煩悩輪転)
  • 業有と行の実体は煩悩によって生まれた業として分類できます。(業輪転)
  • 残りの7つは、業によって異熟したものとして分類できます。(異熟輪転)
という3つの分類ができます。これらを三輪転と呼びます。

二根本

十二縁起を二分すると次のように分けることができます。

過去因から現在果まで

  • 無明
  • 名色
  • 六所

現在因から未来果まで

  • 渇愛
  • 固執
  • 老死・愁・悲・苦・憂・悩
これらの2グループのうち、無明と渇愛がそれぞれグループリーダーとなっているため、これらを2根本と言います。

そして、木の根が断たれれば、どんな大木も枯れてしまうように、この二根本を捨断することで、老・死・愁・悲・苦・憂・悩が滅するわけです。

これについて、次のように説明できます。
  • 無明の滅から行が滅し、
  • 行の滅から識が滅し、
  • 識の滅から名色が滅し、
  • 名色の滅から六処が滅し、
  • 六処の滅から触が滅し、
  • 触の滅から受が滅し、
  • 受の滅から渇愛が滅し、
  • 渇愛の滅から固執が滅し、
  • 固執の滅から有が滅し、
  • 有の滅から生が滅し、
  • 生の滅から老・死・愁・悲・苦・憂・悩が滅する
このようにしてすべての苦蘊が滅します。