六蓋(がい)

蓋(がい)とはフタという意味で、良い心が生じる可能性に蓋をするという意味です。

つまり六蓋とは、欲界善心、色界・無色界善心、出世間心というあらゆる善心が生じるのを妨害する6つの蓋のことです。

具体的には以下の6つです。
  1. 欲貪の蓋(自性は貪心所)
  2. 瞋恚の蓋(自性は瞋心所)
  3. 惛沈・睡眠の蓋(自性は惛沈・睡眠心所)
  4. 掉挙・悪作の蓋(自性は掉挙・悪作心所)
  5. 疑の蓋(自性は疑心所)
  6. 無明の蓋(自性は痴心所)
ここで、惛沈と睡眠、掉挙と悪作がそれぞれセットになっていますが、この理由は作用(はたらき)、因(生じる原因)、対治(敵対するもの)がそれぞれ同じであるためです。

それぞれ見てみましょう。

惛沈と睡眠

  • 作用・・・無気力
  • 因・・・懈怠(かいたい:善を修し、悪を断ずることを怠ける心
  • 対治法・・・精進

掉挙と悪作

  • 作用・・・非静寂
  • 因・・・親族、財産、病、戒、邪見
  • 対治法・・・止(サマーディ)