七随眠(ずいみん)

随眠とは、表面に出てこない潜在的な煩悩のことです。

表面的な心として表れて来ることはないので、普段は感じることができませんが、適当な所縁に出会えばすぐに煩悩として現れて来るものです。

例えば、柿の種には実がなっていませんが、柿の種には柿の実を実らせる潜在的な力がありますね?

このように今は表面化していないけど、機会があれば表面化する可能性のある煩悩の種が随眠です。随眠を取り除くには阿羅漢になるしかありません。

随眠には次の7つあります。

欲貪の随眠

一般的な五欲のもとになる貪心所を生じさせる潜在煩悩

有貪の随眠

色界・無色界に生まれ変わって長生きしたいという貪心所を生じさせる潜在煩悩

瞋恚の随眠

怒りのもとになる瞋心所を生じさせる潜在煩悩

慢の随眠

まわりと比較することでおごり高ぶる慢心所を生じさせる潜在煩悩

見の随眠

邪見のもとになる見心所を生じさせる潜在煩悩

疑の随眠

因果法則に対する疑いのもとになる疑心所を生じさせる潜在煩悩

無明の随眠

無明のもとになる痴心所を生じさせる潜在煩悩

預流果に悟った場合

預流果に悟ると、見の随眠、疑いの随眠がなくなり、以下の随眠が残ります。
  1. 欲貪の随眠・・・一般的な五欲の随眠
  2. 有貪の随眠・・・色界・無色界に生まれ変わって長生きしたいという随眠
  3. 瞋恚の随眠・・・怒りの随眠
  4. 慢の随眠・・・まわりと比較することでおごり高ぶる随眠
  5. 無明の随眠・・・無痴の随眠
一来果では、煩悩が薄まるだけですので、新しく随眠がなくなることはありません。

不還果に悟った場合

不還果に悟ると、貪欲の随眠、瞋恚の随眠がなくなり、以下の随眠が残ります。
  1. 有貪の随眠・・・色界・無色界に生まれ変わって長生きしたいという随眠
  2. 慢の随眠・・・まわりと比較することでおごり高ぶる随眠
  3. 無明の随眠・・・無痴の随眠

阿羅漢果に悟った場合

阿羅漢果に悟ると、全ての随眠がなくなります。随眠は煩悩の種ですから、もう煩悩は生じることはありません。