知るべき法を知らないことを無明と言い、その自性は不善心に相応する痴心所です。では、知るべき法とは何かといいますと、次の8つになります。
四聖諦4
- 欲界・色界・無色界に存在するすべての名色の本質が苦であること
- その苦の原因が渇愛であること
- 苦が滅した理想郷が涅槃であること
- 涅槃に至る道が八正道であること
これらの事実を知らないことが四聖諦に関する無明です。
前辺1
前辺とは過去生のことを意味します。つまり、前辺に関する無明とは過去生にどのような生命としてどのような地に生きていたかを知らないという意味になります。
後辺1
後辺とは次生のことです。阿羅漢にならない限り、次生に結生してしまう事実を信じないことが後辺に関する無明です。
前辺・後辺1
現在生しか信じず、過去生も次生も信じないことが前辺・後辺に関する無明です。
十二縁起1
無明を縁として行などが次々生じることを知らないことが十二縁起に関する無明と呼ばれます。