例えば、あなたがアリになったとイメージしてください。
毎日毎日、たんたんと本能に従って働く日々です。その仕事の大半が、他の生命の命を奪って食料を調達することです。
このように生きていてもほとんど良い行為ができない生命の世界を離善地と呼びます。
離善地はさらに次の4つの段階に分類されます。
- 地獄
- 畜生
- 餓鬼
- 阿修羅衆
地獄
地獄とは楽が得られず、苦ばかり受ける世界のことです。地獄はさらに次の8つの段階に分類されます。(八大地獄)等活地獄
何度も蘇生して同じ苦しみを受ける地獄。黒縄地獄
大工さんが正確に木材を加工するために、木材に墨のついた糸でしるしをつけます(墨付け)。これと同じように、獄卒に細い鉄縄で体を切り刻まれて苦しむ地獄。圧縮地獄
獄卒に追われて、2つの山の間に逃げ込んだ時に、前後に火災が発生し、両側の山が迫ってきて押しつぶされる地獄です。インディージョーンズで、巨大な天井が落ちてくるシーンがありましたが、それが何度も繰り返されるイメージでしょうか。
叫喚地獄
熱い煙や蒸気によって苦しみ絶叫する地獄です。大叫喚地獄
熱い煙や蒸気によって苦しみ大絶叫する地獄です。叫喚地獄の強烈版。
焦熱地獄
炎に焼かれて串刺しにされて苦しみを受ける地獄です。大焦熱地獄
炎に焼かれて串刺しにされて大きな苦しみを受ける地獄です。焦熱地獄の強烈版。無間地獄
最も苦しみの多い地獄。他の七地獄は、ときには苦しみがまぎれることもありますが、この無間地獄では絶え間なく苦しみが続くことから、この名前があります。畜生
畜生界は、パーリ語で(tiracchana-yoni)と表現されます。tiraとは「横に」という意味があり、「心を成長させられない」という意味につながります。そのような世界の生命が畜生です。具体的には
- 動物
- 鳥
- 魚
- 昆虫
餓鬼
餓鬼とは、次のような特性がある生命のことです。- 森・山・川・墓地などをさまよっている死霊
- 常に飢えている
- 裸体で悪臭を放っている
- 口にするものは吐き捨てられた汚物や、流れ落ちた血液だけ
阿修羅
阿修羅とは餓鬼の一種で、餓鬼よりもサイズが大きいものをさします。しかし餓鬼と同じく、常に飢えに苦しんでいて、どんなにのどが渇いても水を飲むことができません。水を飲もうとすると、そこにある水が渇いてしまい飲むことができなくなるとされています。
その阿修羅の集まりが阿修羅衆です。