色界善業

色界善業とは色界善異熟を生む業のことです。

色界善業には、身・語・意の3つではなく、ただ意業だけが存在します。また、施・戒・修習という3つではなく、ただ修習のみが存在します。

色界善業は以下の5つです。
  1. 色界善心初禅に相応する思心所
  2. 色界善心二禅に相応する思心所
  3. 色界善心三禅に相応する思心所
  4. 色界善心四禅に相応する思心所
  5. 色界善心五禅に相応する思心所
これらが順に色界異熟心初禅などの結生異熟心を生みます。

色界業による異熟処

弱く修する 中位に修する 強く修する
初禅 梵衆天 梵輔天 大梵天
第二禅 少光天 無量光天 発光天
第三禅
第四禅 少浄光天 無量浄光天 遍浄光天
第五禅 広果天

初禅を弱く修すれば、梵衆天に、中位に修すれば梵輔天に、強く修すれば大梵天に結生異熟をもたらします。

第二禅~第四禅までは同様で、第五禅はどのように修しても広果天への結生異熟をもたらします。

また、第五禅を修する際に、「私たちは心があるから苦しむ、もし心がなく色だけの存在なら苦しみはない」と考え、心を厭う方向に修した場合(修厭離修習)、その人が死ねば心が無い無想有情天に結生します。

不還果を得た人が第五禅を修すれば浄居天に結生しますが、本人が望めば広果天に結生することもできます。不還果が浄居天に結生する場合、その人は五根のうちどの根が強いかによって生まれる天に差が生じます。
  • 信根が優れている → 不捨天に結生する
  • 精進根が優れている → 無熱天に結生する
  • 念根が優れている → 善現天に結生する
  • 定根が優れている → 善見天に結生する
  • 慧根が優れている → 無劣天に結生する