四食

生命の身体を支える(異熟を生じさせる)滋養素などのことを食と言います。

具体的には次の4つです。
  • 段食
  • 触食
  • 意の思食
  • 識食

段食

これは一般的な食物のことですね。食物をとり続けないと身体を維持できません。よって、これが第一の食になります。

触食

第二の食が触食です。触とは触心所のことで、受を異熟させるはたらきがあります。

まず、段食によって身体が支えられていないと、触食もとることができないので、段食が第一で、段食が第二の食となります。

そもそも私たちが輪廻転生によって生まれ変わりを続ける理由は、渇愛(欲)が原因です。その渇愛はどこから来るかと言うと、私たちが所縁を感受するからです。

例えば、何か食べておいしいと感じたとします。すると、おいしい(感受)→もっと食べたい(渇愛)となるわけです。

では、さらになぜ感受があるかというと、所縁が私たちの感覚器官に触れるからですね(触)。食べ物の例えで言うと、そもそも食べ物が舌に触れなければ感受が起こりませんから。

このように触というはたらきによって感受が生まれ、感受によって渇愛が生まれ、渇愛によって生命が輪廻転生を通して長く維持されることになります。

つまり、触も生命の流れを維持する(五蘊を相続する)という意味において食なのです。

意の思食

意の思とは、89心に含まれる思心所のことで、いわゆる業を意味します。

業も輪廻転生の繰り返しに深く関係していて、輪廻によって生まれるとき生命は業生色を備えて生まれます。

つまり、業も業生色をつくるなどと言う形で、五蘊の相続に関係しているので食と解釈されます。

識食

識とは89心のことです。十二因縁で説明すると識によって名色(心生色)が生じることから、五蘊の相続に深く関わっています。つまり、識も食と解釈されます。