物質が生じる原因

色つまり物質は何かが原因で生まれます。

例えば
  • 生卵は熱が原因で目玉焼きになります。
  • 悩みが原因で、ホルモン物質ができて私たちをイライラさせます。
  • 食べ物に含まれるデンプンは体内で分解されて糖がうまれます。
  • 私たちは過去の業が原因で男や女といった性別が与えられます。
このように、ある物質が生まれるとき、その背後には必ずそれにふさわしい原因があります。

その原因は大きく分けて4つあります。
  • 業によって生じる
  • 心によって生じる
  • 時節(熱)によって生じる
  • 食(栄養素)によって生じる

業起因色

業起因色とは

業起因色は18種類あり、それはすなわち執受色を意味します。

具体的には、

業のみによって生まれる
  • 浄色5
  • 性色2
  • 命色1
  • 心色1
の9つ。

そして、他の原因によっても生まれるが、業によっても生まれる可能性のある
  • 不簡別色8
  • 分断色1
の9つ。

合わせて18が業起因色(執受色)となります。

業起因色の生じ方

  • 不善心12に含まれる思心所(業)
  • 大善心8に含まれる思心所(業)
  • 色界善心5に含まれる思心所(業)
の全25の思心所(業)が業起因色を生じさせます。

これらの25心の生住滅のすべての刹那において、業生色を生じさせます。

心生色

心生色とは

心によって生まれる色のこと。

具体的には
  • 表色(身表、語表)
  • 色軽快性、色柔軟性、色適業生
  • 不簡別色8、分断色
の15色になります。

心生色の生じ方

ただし、89の心のうち、心起因色を生じさせる心は決まっています。

まず、
  • 無因不善異熟心に含まれる5識
  • 無因善異熟心に含まれる5識
の10個の心は力が弱く、色を生じさせることができません。

また、無色界異熟心の4つは、色がない無色界の生命にしか生まれない心なので、それによって色が生まれることはありません。

つまり、10+4=14の心は色を生じさせないわけですね。
逆に、89-14=75の心が色を生じさせます。

心89心起因色を生じさせる威儀を支持する表の起因になる笑の起因になる色の種類計
意界3
・五門引転心1
・領受心2
彼所縁11
・推度心3
・大異熟心8
色界異熟5
1
安止速行26
・色界善心5
・色界唯作心5
・無色界善心4
・無色界唯作心4
・出世間心8
(神通2を除く)
2
意門引転心1
瞋根心2
欲界捨俱速行心14
・捨俱貪根心4
・痴根心2
・捨俱大善心4
・捨俱唯作心4
神通2
3
欲界喜俱速行心13
・喜俱貪根心4
・喜俱大善心4
・喜俱唯作心4
・笑起心1
4
無色界異熟心4
2つの五識10
75563213

時節起因色

時節起因色とは

時節とは熱(火界)を意味します。 つまり、熱によって生じる色が時節起因色です。 また、熱と言っても、
  • 冷たいものには寒冷火界
  • 熱いものには暑熱火界
がそれぞれ含まれていると解釈できます。

時節起因色は以下の13になります。
  • 色軽快性、色柔軟性、色適業生
  • 不簡別色8、分断色

時節起因色の生じ方

心は、
  • 生・・・1刹那
  • 住・・・1刹那
  • 滅・・・1刹那
の3刹那で生住滅を繰り返します。

色は
  • 生・・・1刹那
  • 住・・・49刹那
  • 滅・・・1刹那
の51刹那で生住滅を繰り返します。

心は生まれるとき(生位)が最もエネルギーが強いため、心生色は心の生位のときに生じます。

一方で、色は住位のときがもっともエネルギーが強く、ある色が生じてその色の2刹那目(住位の1刹那目)にその色に含まれる時節(火界)が、別の時節生色を生じさせます。

食起因色

食起因色とは

食とは栄養素(滋養素)のことを意味します。

つまり、食起因色とは滋養素が生命の身体に吸収されたときに、生じる色のことです。

滋養素は口からだけでなく、点滴みたいな形でその他からも吸収されることがあります。

食起因色は以下の12色が該当します。
  • 色軽快性、色柔軟性、色適業生
  • 不簡別色8、分断色
これらは心のよっても、時節によっても生じる色です。

食起因色の生じ方

滋養素は外から取り入れるものだけでなく、身体の内にも存在しています。

これらの内外の滋養素が結合することで食起因色が生じます。

それぞれの物質の自性

色28業生色心生色時節生色食生色
浄色5
性色2
命色
心色
一生色
表色2一生色
声色二生色
色軽快性
色柔軟性
色適業性
三生色
不簡別色8
分断色
四生色
相色4無依色
それぞれの理由によって生じた色の合計18151312