確定心は五門から入った情報を確定させるはたらきがあり、五門引転心から確定心まではワンセットなのです。
ですから、確定心が生まれないという事は、五識(眼識、耳識、鼻識、舌識、身識)も生まれず、全く所縁を認識できないという事になります。
このときの流れを極小所縁路といいます。
例えば、眼識が生まれる際に必要な条件は
- 眼
- 色所縁(物質)
- 光
- 作意
これらの条件のどれかが欠ければ欠けるほど、眼が物質を認識するのが遅れるわけですね。
そして、あまり眼の認識が遅れると、眼が物質を認識する前に、物質の寿命が尽きて、全く認識できないまま終わってしまうのが、この極小所縁路です。
これを踏まえて胎児の例があります。
胎児は、胎内にいるときすでに眼がある程度でき上がりますが、胎内に光がないので、胎児は眼門路が生まれません。(つまり、極小所縁路が生まれていることになります。)
また、胎児は鼻で呼吸しないことから、香所縁が鼻に触れる事はありません。(つまり、極小所縁路が生まれていることになります。)
第一極小所縁路

第六小所縁路のときより、さらに所縁の認識が1心刹那遅れた場合、極小所縁路となり確定心が生まれません。
確定心が生まれないということは五門路が生じないことになり、所縁を認識できないことになります。
有分心が微妙に所縁に反応して、有分動揺が2心刹那生まれますが、その後はすぐに有分心にもどります。
第二極小所縁路

第二極小所縁路は、第一のときよりもさらに1心刹那反応が遅れた場合の心の流れです。
第三極小所縁路

第三極小所縁路は、第二のときよりもさらに1心刹那反応が遅れた場合の心の流れです。
第四極小所縁路

第四極小所縁路は、第三のときよりもさらに1心刹那反応が遅れた場合の心の流れです。
第五極小所縁路

第五極小所縁路は、第四のときよりもさらに1心刹那反応が遅れた場合の心の流れです。
第六極小所縁路

第六極小所縁路は、第五のときよりもさらに1心刹那反応が遅れた場合の心の流れです。
これよりも有分心が所縁を捉えるのが遅れる場合、有分動揺すらも生じることができず、まったく所縁に反応できない状態になります。