心の流れの分析

例えば、自動車で市役所に行くところをイメージしてください。

市役所に行くまでには、
  • ○○の交差点を左折して、
  • ○○トンネルをくぐって、
  • ○○の前を通って・・・
という風に、必ず必要なポイントを通らなくてはなりません。

「家からいきなり市役所へワープ!」というわけには行かないわけですね。心の流れも同じように順番に流れていきます。

とくに、
  • 五門(五感)からの情報によって生まれる心の流れを五門路
  • イメージなど心の中だけで生まれる心の流れを意門路
といいます。

六六集

心の流れの分析において、次の6×6の概念を知っていることが前提になります。

六基

基に関して詳しくは、「基で分類する」で説明しています。そちらを参考にして下さい。
  • 眼基
  • 耳基
  • 鼻基
  • 舌基
  • 身基
  • 心基

六門

門に関して詳しくは、「門で分類する」で説明しています。そちらを参考にして下さい。
  • 眼門
  • 耳門
  • 鼻門
  • 舌門
  • 身門
  • 意門

六所縁

所縁に関して詳しくは、「所縁で分類する」で説明しています。そちらを参考にして下さい。
  • 色所縁
  • 声所縁
  • 香所縁
  • 味所縁
  • 触所縁
  • 法所縁

六識

識とは対象を認識する作用のことです。
  • 眼識(=眼基+色所縁+光+作意)
  • 耳識(=耳基+声所縁+空間+作意)
  • 鼻識(=鼻基+香所縁+風界+作意)
  • 舌識(=舌基+味所縁+水界+作意)
  • 身識(=身基+触所縁+地界+作意)
  • 意識(=心基+法所縁+作意)

六路

六門路

門の視点から見た時の、心の流れ。
  • 眼門路
  • 耳門路
  • 鼻門路
  • 舌門路
  • 身門路
  • 意門路
または

六識路

識の視点から見た時の、心の流れ。
  • 眼識路
  • 耳識路
  • 鼻識路
  • 舌識路
  • 身識路
  • 意識路

境生起の六集

これらに関しては、この章で詳しく学びます。
  • 極大所縁路
  • 大所縁路
  • 小所縁路
  • 極小所縁路
  • 明瞭所縁路
  • 不明瞭所縁路

物質と心の寿命の違い

  • 私たちの体はたくさんの細胞からできています。
  • 細胞はたくさんの分子からできています。
  • 分子はたくさんの原子からできています。
  • 原子はたくさんの電子・陽子・中性子からできています。
  • ・・・
このように、物質を極限まで細かくしていくと、『もうこれ以上細かくできない!』というレベルに達します。

現代的に言うと、素粒子とかそういう言葉になるかもしれませんね。

私たちの体も、車も、本も、家も、虫も、花も、物質であれば細かくすると、最終的には全て素粒子になります。

言い換えると物質の正体は素粒子の集まりです。全ての物質は素粒子が消えたり生まれたりといった変化の流れに過ぎません。

同じように、私たちが普段感じている感情はすべて、52種類の心が消えたり生まれたりといった変化の流れのことなのです。

この物質の最小単位、心の最小単位にもそれぞれ寿命があります。

心の寿命

心の最小単位は『生、住、滅』の3つの段階を経て、生まれては消えをくり返しています。

この生、住、滅の非常に短い時間のスパンを小刹那と呼びます。

生、住、滅の3小刹那=1心刹那

です。

物質の寿命

物質の最小単位も心と同様『生、住、滅』の3つの段階を経て変化をくり返します。しかし物質の寿命は心の17倍です。

さらに、住刹那と、滅刹那の時間のスパンは心も物質も同じ1小刹那となります。

つまりこういう事ですね。
物質
1小刹那 1小刹那
1小刹那 49小刹那
1小刹那 1小刹那
合計 3小刹那(1心刹那) 51小刹那