智見清浄

前回までのおさらいです。安止路では随順智が名色の無常相などを所縁として、遍作、近行、随順と順番に生じます。

その次の刹那に種姓心という最後の近行定が生じます。そして、その次の刹那には道心という安止定に入ります。

つまり順番で言うと
  • 有分
  • 有分捨断
  • 意門引転心
  • 遍作(近行定)
  • 近行(近行定)
  • 随順(近行定)
  • 種姓(近行定)
  • 道(安止定)
  • 果(安止定)
  • 果(安止定)
  • 有分
という流れになりますね。近行定と安止定が速行のはたらきをし、速行は7回までと決まっているので、果心は2心刹那だけ生じることになります。

余談ですが、速通達者の場合、遍作が生じないので、1心刹那空きができます。その1心刹那分多く果が生じます。

さて、以上のように道が生じた際に、四聖諦を直接理解したという道智が生じます。

道智には、
  1. 預流道智
  2. 一来道智
  3. 不還道智
  4. 阿羅漢道智
の4つがあり、これら4つをまとめて智見清浄と言います。

観察智の生起

安止路では果が滅して最後に有分に落ちます(要するに禅定から出る)。この後に、「自分が体験した道や果とはどのようなものであったか?」という道や果を観察する路(観察路)が生じます。

このときの観察路は以下のようになります。
  • 有分
  • 有分捨断
  • 意門引転心
  • 観察智
  • 観察智
  • 観察智
  • 観察智
  • 観察智
  • 観察智
  • 観察智
  • 有分
このときの観察智も速行であり、その自性は智相応大善心4、智相応大唯作心4のいずれかです。また、観察智によって以下の5つを観察路が生じます。
  1. 「私はこの道によって涅槃を得た」と道を観察する路
  2. 「私は道の功徳をも得た」と果を観察する路
  3. 「私は涅槃を体験した」と涅槃を観察する路
  4. 「私はこれこれの煩悩を捨断した」と捨段した煩悩を観察する路
  5. 「私にはこれこれの煩悩が残っている」と残っている煩悩を観察する路
1~3番までは、必ず生じる路です。4,5番は生じる人と生じない人がいます。

さらに、
  • 預流道の後に生じる可能性がある観察路は5つです。
  • 一来道の後に生じる可能性がある観察路は5つです。
  • 不還道の後に生じる可能性がある観察路は5つです。
  • 阿羅漢道の後に生じる可能性がある観察路は4つです。(煩悩が残っていないため5番目の観察路は生じない)