色界心

まずは色界心にふれるまにこれまでのおさらいです。
  • 不善心は貪、瞋、痴をリーダーとするよくない心でした。(不善因3つが含まれている)
  • 無因心は、よくも悪くもない心でした。(善因も、不善因も含まれていない)
  • 欲界善心は、不貪、不瞋、不痴をリーダーとするよい心でした。(善因3つが含まれている)
さて、これら3種の心は総合して欲界心と呼ばれています。

欲界とは前お話しましたね。眼耳鼻舌身の五感からの情報に依存して、欲をつくりやすい生命レベルの世界でした。

そういうと、人間だけでなく動物も魚も虫もみんな、まわりの情報をキャッチして生きているので欲界心の生命体です。

食べ物を五感で感じれば『食べたい』となります。敵を五感で感じれば『逃げたい』となります。そして欲界を超えた世界を、色界といいます。

色界とは?

○○界というのは全部で3つあります。
  • 欲界
  • 色界
  • 無色界
です。

私たち人間をふくむ欲界の生命は、大まかに次のような心の流れで生きています。
  1. 五感で情報をキャッチする
  2. それを脳に受け渡す
  3. 脳でその情報を処理する
  4. その結果をもとに行動する
ちなみに虫にも脳があるみたいですよ^^;

色界の色とは物質の事です。

「そう考えると人間も色界じゃないか!?」と言われそうですが、欲界でいう物質と、色界でいう物質は全然意味が違います。

私たちが普段物質と言うと何を思い浮かべるでしょうか?

車?パソコン?机?消しゴム?石?

とかですよね!?

色界の物質とは、そのような荒いものではなく、言うなれば素粒子とかいうようなもともっとキメ細やかなものです。

色界は、特別な心のトレーニング(サマタ瞑想)を行った人しか体験できません。

何か一点に集中して、極限にまで集中力を高めた時に、五感からの情報にふりまわされる世界とは別次元の精神世界に到達できます。

これは、トレーニングをつんだ人にしか理解できないかもしれません。

例えば、あなたが魚だったとします。

毎日、友達と水の中を泳ぎます。

ある日、亀さんが水を飲みにやってきました。そして亀さんが言いました。

『こんにちは魚さん。さっきね向こうの丘でとってもキレイな花を見つけたんだよ!』

さて、このときあなたはどう感じるでしょうか?

ちなみにあなたは魚ですから、
  • 生まれてこの方水から出た事はありません。
  • もちろん陸地なんてある事すら知りません。
  • あなたの友達もみんな魚ですから同じ認識です。
こんな状態で花の美しさを理解できるでしょうか?

同じように、
  • 私たちは普段欲界に生きています。
  • もちろんそれ以外の世界があるなんて知りません
  • 私たちの知り合いもみんな欲界に生きています
そんな中でまず理解は難しいでしょう。

しかし、私たちが認識できないからと言って、色界がないとは言い切れません。むしろ、私たちが普段認識している世界は、おそらく本来存在する世界のほんの一部でしょう。

私たちに犬笛の音を聞くことはできませんし、紫外線を見ることはできません。

これらは科学の発展でかろうじて理解できているだけです。欲界だけに限っても、まだまだ私たちの認識できていない事は多いのです。

色界心の種類

さて、色界心も欲界善心のときと同じように、次の3つに分けられます。
  • 善心・・・よい心
  • 異熟心・・・生まれ変わりの心
  • 唯作心・・・はたらきだけの結果を生まない心
欲界善心のときは、ここからさらに
  • 智慧の有無
  • 喜びの有無
  • 意志の強弱
の3パターンでそれぞれ分けました。

色界心の場合は次のように分けます。
  • 初禅
  • 第二禅
  • 第三禅
  • 第四禅
  • 第五禅
まあ五段階のランクで分けると思ってもらえれば分かりやすいかもしれません。