意門路-安止速行の場合

意門路には
  • 欲界速行の場合
  • 安止速行の場合
の2種類があります。

欲界速行の場合は、私たち欲界の生命が、例えば頭で何かイメージしたときに流れるのが意門路です。

それに対し、安止速行の場合は、瞑想で禅定に入ったり、悟る人の特別な意門路の流れをいいます。

安止速行の場合、欲界速行の場合と違って、明瞭所縁・不明瞭所縁という区別がありません。というのも、明瞭所縁でないと禅定に入ったり悟ったりできないので、分ける必要がないからです。

また、彼所縁は欲界速行とセットなので、安止速行の場合は生まれません。

遅通達者

禅定に入ったり、悟りに達する人にも智慧の力の差があります。智慧の鈍い人を遅通達者、智慧の鋭い人を速通達者と呼びます。

遅通達者に安止路が生まれる場合、次のような心が生まれます。
  1. 有分
  2. 有分動揺
  3. 有分捨断
  4. 意門引転心
  5. 遍作(近行定)
  6. 近行(近行定)
  7. 随順(近行定)
  8. 種姓(近行定)
  9. 禅・道・果(安止定)
  10. 有分
    有分から有分までの太字の部分が安止路です。とくに、赤字の部分は速行であり、さらには遍作から種姓までを近行定、禅・道・果を安止定と呼びます。

    速通達者

    遅通達者とは逆に、智慧の鋭い人を速通達者と呼びます。

    速通達者に安止路が生まれる場合、次のような心が生まれます。
    • 有分
    • 有分動揺
    • 有分捨断
    • 意門引転心
    • 近行(近行定)
    • 随順(近行定)
    • 種姓(近行定)
    • 禅・道・果(安止定)
    • 有分
    有分から有分までの太字の部分が安止路です。

    遅通達者との違いは、一つ目の近行定である遍作がないことです。1心刹那分早く禅・道・果に達するわけですね。