四大種

物質を構成する根本的な4つの要素を四大種と呼びます。

科学的に言うと、以前は物質を構成する最小単位は原子だとされてきました。しかし、その後の研究で、原子もさらに細かくできることが分かりました。

素粒子です。

机も、車も、虫も、水も、火も、石も、人間の体もすべて素粒子からできているというのが現代科学の見方です。

裏を返せば、私たちは素粒子の集まりに、机だとか、車だとか名前をつけているに過ぎません。

この事を仏教の立場から説明した場合、4つのエネルギー要素を基本としてあらゆる物質が成り立っています。

その四つとは次のものです。

地要素

地要素とは硬さや重さをつくっている要素です。

地要素は土や砂といった限定的なものをさしているわけではなく、物質をかたちづくる根本的なエネルギーの一つであるとご理解下さい。

重さがあれば、それにともなって硬さ(柔らかさ)も生まれますので、質量をつくるエネルギーと言ってもいいかもしれません。

『なんだそれは?』と思われるかもしれませんが、近年面白い粒子が発見されました。

理論上は存在するはずでしたが、実際にはなかなか発見できなかったその粒子はヒッグス粒子と呼ばれています。

このヒッグス粒子はまさしく素粒子に質量をあたえるはたらきがある事が確認されています。

水要素

水要素とは、お互いをつなぎ合わせるエネルギーの事です。

たとえば、泥だんごをイメージしてください。

泥だんごは、もともとサラサラした砂に、水をまぜてこね合わせてつくりますね。

また雨が降った後は靴の裏に泥がくっつきます。

これらが水要素のエネルギーによるものです。

火要素

火要素とは、ずばり熱エネルギーの事ですね。

熱エネルギーを高くすれば熱いと感じ、
熱エネルギーを低くすれば冷たいと感じます。

また、火要素はものごとの変化の速度にも関わっています。

例えば、夏場はものが腐りやすく、冬場はものが腐りにくいですね。これも火要素が関係しています。

身体の中に生じる熱

暖熱

通常の体温のこと。

熱熱

風邪をひいたときなどに生じる熱。37度5分とかそういう熱です。

焦熱

熱熱が特に高いとき焦熱と呼びます。39度くらいでしょうか。

老衰熱

白髪やしわなど私たちの身体を老衰させる熱のことです。

消化熱

食べたものを消化させる熱です。

風要素

風要素は、動く物体に含まれている場合と、動かない物体に含まれている場合でそれぞれのはたらきをします。

動く物体に含まれている場合

このときは、いわゆる運動エネルギーとしてはたらきます。物体を動かすエネルギーですね。

動かない物体に含まれている場合

その物体が、動かないように固定するエネルギーとしてはたらきます。

例えば、何か重いものを押すときに地面との摩擦以外にも、なにか抵抗がありますね。

このエネルギーのことです。

以上の4つの要素が四大種です。