所縁を時間で分類する

所縁を4つの時間領域で分類します。
  • 現在
  • 過去
  • 未来
  • 離時
離時とは、現在、過去、未来に関係ないという意味ですね。

現在所縁

今、この瞬間に存在している所縁(認識対象)のこと。具体的には、現在存在している、心89、心所52、色28の事をさします。

例えば、音楽を聴いて耳識が生まれる場合、音楽が所縁になって耳識が生まれます。このとき、音楽は今現在存在するものでなければいけませんね。

過去にあった音楽を聞く事はできませんから(想像することはできますが)。この場合の音楽は現在所縁と言われます。

過去所縁

過去に存在していた所縁(認識対象)のこと。具体的には、過去に存在していた、心89、心所52、色28の事をさします。

未来所縁

未来に存在するであろう所縁(認識対象)のこと。具体的には、未来に存在するであろう、心89、心所52、色28の事をさします。

の事をさします。

離時所縁

離時とは時間という概念に関係ないという意味があります。離時所縁は、次の2つです。
  • 施設
  • 涅槃
施設は、イメージや概念の事ですね。

例えば、『堀口寿人』という名前がそうです。堀口寿人は、今私に対してつけられているタグのようなものです。

私が死んでも、名前はなくなる事はありません。名前は単なるイメージなので、今も昔もないわけですね。

涅槃も、苦しみが滅尽した状態なので、過去にあったとか未来にあるだろうとか言えるものではないわけです。施設も涅槃も、生まれては滅する性質のものではないということですね。